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『ウェンブリー・ライブ・ビューイング 2016』by TM

 僕はBABYMETALのSSE WEMBLEY ARENA 2016公演のライブビューイングをZepp Fukuokaで観た。
 あの深夜と言う時間帯で1,000人を超える人が集まったことに驚いたし、これも偏にあの公演への注目度の高さの証明だと改めて感慨深い思いに包まれた。ウェンブリーに関してはウェンブリー参加組にライブ・レポートをお願いするとして、ここでは僕のライブ・ビューイングのライブレポートを書きたいと思う。

1.開場前の珍事

 まず、現地には16:00ジャストに到着した。ベビーメタルのライブでは早く来ることは別に珍しいことではない。ライブは整理番号順、物販で並ぶ必要があるからだ。とは言え場所は福岡だし、ちょっと早すぎだったのかもしれないが・・。開演予定の朝4時半から起算すれば、ざっと12時間前となる。朝4時半からの公演と言うこと自体異例中の異例だし、常人は23時でも良かった。何れにせよ徹夜になる。
 そんな長い待ち時間の暇つぶしのお陰で汗をかくことになるとは・・想定外だったが・・。
 Zepp福岡では僕らベビーメタルのLVの前にNICO TOUCHES THE WALLSと言うポップバンドのライブがあった。僕がZEPPに着くとバックヤードに大型トレーラーが停められ、リハーサルの音が漏れていた。そして外には若いNICOファン達が開場待ちをしている。ざっとみてアンダー20と言う女の子中心のファン層で固められ、バンドの基調カラーが赤と白で、ニワトリがトレードマークのようで、みな一様にそんなTシャツを着て紅白のタオルを首に巻く。BABYMETALの、幅広いファン層と基調カラーの赤と黒、トレードマークがキツネと言う点と黒地に赤のTシャツにタオルというのが相対しており、ちょっと面白半分に「完全にアウェーだ。ニワトリに会場が占拠されています」等とツイートをしたところ、リツィートの嵐が巻き起こってしまったようだ。(汗)

 批判の内容は「開場待ちの光景を撮った写真及び悪意あるツイートの削除依頼」として届く。NICOの17:00からの開演後から終演の19:00頃までのおよそ2時間がこのNICOファンとの関係修復のために費やされた。自業自得。やっちまったことより、これからだと言うことでなんとか納得して頂きました。まったくアホや。

 教訓としては「ベビーメタル以外の関係ないバンドを巻き込んでのツイートは避けた方がいい」特に「その場のノリで面白半分にツイートすること、(拡大すれば)個人が特定される可能性のある現地写真のツイートは取り扱いを注意しなければならない」と言う極常識的なこと。
 おかげで待ち時間の何時間かを、かく必要のない汗をかいて過ごすことになった。開場待ちををしていた他のメイト達でも何人か同じ状況に陥っていたようで、ファンがガチンコする状況はあまり宜しくないよと、少し運営側にも注意喚起をして、責任転嫁で終わっておく。こう言う危険も妊みつつも、繋がっていることを確認できたことは良かった。良かったとか、その程度で済んで本当に良かったっす。以後気をつけます。

2.開場前の交流
 NICOの観客達が会場に入ったのを機に列を作る。僕は先頭に並んだメイトの次ぎに陣取りをした。するとわらわらとメイト達が集まってくる。始めはこの五人で暫く過ぎる。同じ頃ダイバーでは70人とツイートされている。やはり都市は強い。地方は少ないな〜。その時、ヘッドフォンでガンガンにメタル・レジスタンスを聴いていた。今日一日中ガンガンに聴いてライブに臨むと決めていたから。
 後ろに並んだ三人は常連メイトの様で訪問客が多い。20:00頃来たMYU-METALさんもお知り合いの様でご紹介頂いた。話を聞くといろいろとつながってくるのが楽しい。
 ライブ前にこうしたメイト仲間達との交流が実はライブ以上に楽しい。おかげで物販までの長い長い待ち時間もあっと言う間に過ぎていった。

 皆、ツイッターが名刺代わりで、フォローすることで世界が広ろげる。突然、ポートフォリオを持ってこられてツイートでよく見かけるベビーメタルイラストの原画を直で見せてもらって狂喜乱舞した。
「これはミリペンの0.05ミリをつかって描いていて、強調すべきところは1ミリを使うんだ〜」超絶上手い落書きはそのまんま個展を開けるレベル。かと言えば現在メイトの間で赤マル急上昇中のバンド「絶叫する60度」の話が飛び出してきたりする。
「地下アイドルから、あなたはどこにでもいるねって言ってもらって、今度大分にも来てくれることになった」と言われたとか奔放な話題がポンポン飛び出す。シール、缶バッジ配布などもされていて乾杯しながらの交流は花見さながらの賑わいでありました。
 23:00に「TMさんはいますか?」と登場したのがOSAKA-METALさんで横アリ以来の再会でした。楽しい時間はあっと言う間に過ぎる。

3.物販、そして開場
「物販は1:00〜1:45の45分です。できるだけたくさんの方に買っていただきたいのでこちらで二列にお並びください」0時45分のことだ。
「へ? なんで時間制限なの?」
 もうヤフオクドームの大階段を上がり、ぐるりと右に折れ、数十メーター行った先のバスターミナルへの階段を降り、ターミナルまでかかろうかと言うおよそ1,000人を越えようかと言う人数の物販列が出来ている。
「これを45分で捌くの? 品切れで買えないならまだしも、時間制限って何?」
 今回はTシャツの種類も多く、ただでさえ選択に時間を要するのに45分? 案の定、時間内に買えたのは23時までに来た人達まで。先行発売は終了した。全然動かない列に業を煮やした物販の列からリタイア者が続出。諦めモードに入る。あれだけ時間があったのになんとかならなかったのか?

 物販が終了すると同時に、入場のための整列が始まる。
「2:00からの開場には整理番号順で並んでください。0-20番の方はこちらに。細かい順番は各自調整をお願いします」とスタッフがアナウンスを始める。なんとも唖然だった。情報が少なすぎてあまりに可哀想な物販列、大部分の列は残されたまま入場がはじまった。

 結局、物販は開場の整理番号順入場を放棄した人達に継続して行われるようで、開場で入る人のなんと少ないことか。あんなに待ち時間があったのに。何か方法はなかったのかしらん? 2時からのビデオ上映会には約半数が入場した。あと半数は再販売待ちで並んでいる。

 前回のBABYMETALの国内ツアー2015でのZEPP福岡公演では館内に入らず入り口付近に長テーブルを並べて4列で捌いていた。早くて、さすが運営もやるなと感心したものだった。ところが今回は2列、しかも時間制限付きと変な緊張感を醸し出す。遅いは短いわで無意味に抑圧された物販に苛立ちを覚えた。

4.ビデオ上映
 2:30になり客電も消えることなく上映が開始された。オフ会で歓談しながらビデオを流しているかの様な和やかな雰囲気の会場でとてもZEPPとは思えない。会場はおよそ半数が物販から帰って来ていない為、ガラガラだ。2階席は閉めていて1階席だけだった。仕方ないのだけれど、そんなスタートだった。入場するとドリンクを受け取る者、携帯でツイート、ラインをするものもいたからホールに入場している者はまだ20人程度しかいなかったし、映画上映だから必ずしもドセンが良いわけではないからか、バラけていてどこでも選べた。結局2柵目ドセンを取り、1柵目を選んだOSAKA-METALさんとしばし歓談していた。

 ここZEPP福岡は一先ず今年5月に閉鎖される。既にここ、ホークスタウンはゴーストタウン化して先月末に閉館した。現在解体作業中、新たな商業施設へと変身を遂げる予定。2018年にZEPP福岡自体の再出店を予定しているとの話がある。
http://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec160331_hawks_town_mall.pdf

 そんな話題を話しながらライブビデオはメギツネになる。この辺りから、ライブに集中し始める。激空きではあるが、割と隙間は見えにくいほどになる。ビデオが終わり、まだ会場の映像に切り替わらない。時間も4:30を回り、一番眠い頃。やることもなく前から地べたに座り込みを始める。正直、この時が一番眠い頃で早く画面よ切り替われ! と睨めつけていた。

5.歴史的なライブ・アット・ウェンブリー
 客電が落ちて、皆、歓声を上げる。暗闇にBABYMETALのロゴが左右に映し出されている。BGMはパンテラの「カーボーイ・フロム・ヘル」。カメラがオーディエンスの上を滑り、望遠で映していく。気づいた何人かは風船を投げつける。ブリング・ミー・ザ・ホライズンの傘の絵のTシャツを着ける人や日本の旗を持つもの。F**Kと中指を立てるものとガンガンに映し出される。アリーナのひしめき具合は強烈ですごい。スタンドは割と空席が目立つ。それでも7〜8割はいけている。高々数年でこれは凄い! とただひたすらBGMにそばだてる。メタリカ、メガデス、アイアンメイデンと来て爆音がなり始める。

01. BABYMETAL DEATH
 やはりライブは違う。本番さながらの合いの手と大合唱。やはりフルライブでは外せない。誰もが歌える歌詞と耳なじみの良いリフ。ベビーメタルがヘヴィーメタルである所以を示すのは多くの言葉はいらない。この一曲だけで済む。圧倒的な存在感と、会場との一体感を創出する。

02. あわだまフィーバー
 日本ではSSAの新春きつね祭以来、演奏され続けているが、海外ではなかなか演奏されてなかった。海外のメイトであればYoutubeで観ているだろうから、新作からの曲とは言え、割と取っつきやすいトラックだった。これがこの曲が2曲目の理由かな。感慨深い人は多かったとおもう。この輪っかがステージ上で揺れ動く様を見てジーンときた。

03. いいね!
 Hellow!Wembley!と挨拶を入れることができるのがこの曲。MCの無いベビーメタルの中で、この曲は本当に貴重な一曲だ。

04. ヤバッ!
 導入が応援歌調に替えられて、益々魅力的になったこの曲。そうか〜、ファーストとセカンドの曲を交互に演奏するパターンか! とここで気づく。

05. 紅月-アカツキ-
 今日のSU-METALは神がかっている! 素晴らしすぎると毎回思うが(笑)今回も例に漏れず素晴らしい。音響的に良くなかったから、上手く声が聴こえなかったが、確かにZENZEN-METALさん直伝の耳ふさぎで余計なノイズを排除すると、その完璧な歌声が聞こえる。チョット側から見れば聴きたくないのかと? ふざけんな! なんて勘違いされるじゃん! って。ライブ用耳栓をそろそろ買うべきなのか?それくらいZEPPの音は爆音だったわけだ。

06. GJ!
 いよいよ新曲が来た。ブラック・ベビーメタルの二人のパワフルな新曲。振り付けが付いて更に素晴らしさこの上なし。この曲とSis.Angerが好きでね〜。この曲が演奏されたのは感激だった。スピンオフをマジで熱望する。

07. Catch me if you can
08. ド・キ・ド・キ☆モーニング
 ライブの定番が続く。これだけ大きく成長しているのにまだSU-METALのトンネルを潜るMOA-METALに感動。やはりダンスの魅力を世界にメタルに届けたのがベビーメタルの一番の功績だな。充実の3曲。

09. META!メタ太郎
 このライブで一番は何か? と問われれば、文句なくこの曲。初めて皆振り付けされたメタ太郎を聴いたわけだが、もう、圧倒的な完成度でひっくり返った。会場はなにやら呆然とした感じで、ただ堂々と踊る三人の圧勝と言った感じのみが会場を包み込む。もうなんでもいい、全てはベビーメタルの思うがままに! と思ってしまった。誰にも似てない、何にも前例がない。ベビーメタルのみ進み得る新境地、桃源郷にメタ太郎は邁進する。あっぱれ、あっぱれ。

10. 4の歌
 チョット肩透かしを食らった。結果オーライだけど、あのダースベイダーのダークサイドの前振りとすれば、Sis.Angerしかないと勝手に思ってしまった。蓋を開けたら4の歌でした〜。カイロ・レンの十字型ライトセーバーが4型ライトセーバーになっていて暗示したとは言え、なるほどね。ブラック・ベビーメタル自体ダークサイドなんだと言われればさ、そうなんだよね。

11. Amore - 蒼星 -
 ウェンブリーで高らかに歌われる蒼星。紅月と対のこの曲が高らかに歌われる。個人的にはまだメタルの曲としては聴けていない。まだ修行が足りないな〜と思う一曲。オーディエンスはどんな風に感じたのかな?

12. メギツネ
 日本の色が一番のこの曲。日本の国旗やら、何やらと力作な日本リスペクトの応援に溢れていた。日本とイギリスの親善曲といても過言でない。ま「えっ? RORがあるだろうが?」確かにそうですが、この曲に皆日本を見つけてくれるのかなと思うんですよ。

13. KARATE
 今最も旬の曲がこのKARATE。やはりギミチョコばりに受けが良いように感じられた。BBC RADIO1でもかかったこの曲は今のBABYMETALを象徴する一曲と言っても過言ではない。

14. イジメ、ダメ、ゼッタイ
 流石に大きな会場で、WODはどうかなと思ったが、ちゃんと出来ている。でっかい。日本からの遠征組かな〜。日本のメイトが走り回っている。カメラが降りて横から撮ったサークルモッシュの早いこと。おそるべし。1幕の終了。アンコールの呼び出しがこれだけ大きな会場ではまとまりが無いのか?できては消えを繰り返す。何度目かのチャレンジでベビーメタル! パンパンパンパン! に統一され1つのうねりを作り出すことができた。一瞬不安がよぎったが、何とか次につなぐことができた。

15. ギミチョコ
 何なんだろう。もう何度聴いたかわからない曲なのに、感動を僕らに与え続ける。この曲の持つ圧倒的な感染力は未だ衰えることを知らない。どの曲構成でも、どう変えられようとも、かわらないものがある。それはSU-METALの歌声であり、YUIMOAのダンスであり、神バンドの超絶なリフとスーパーテクニックである。小神様が朝の4:30に起きてツイートしてるから「もう起きたんですか?」と聞いたら「朝練です」って。やはり努力に裏打ちされた実力であり、あのギターへの直向きさがあの奇跡の演奏を可能にしているわけだ。

16. THE ONE
 2015年を代表する画像と共にベビーメタルの歩みを映し出す。
 横アリで1日目の衝撃的な初演と2日目の伝説的なエンディングで魅せてくれたTHE ONE。ウェンブリーでもそのポテンシャルを余すところなくしっかりと伝えてくれた。三人がゆっくりと階段で降りてくる。そしてイギリスと日本とをいっぱいの光で満たす。

17. Road of Resistance
 イギリスのO2アカデミー・ブリクストンで初演された記念すべき曲がこの曲。YUIMOAが一番好きだというこの曲でウェンブリーの幕切れとなる。本当に感動を有難う。下を向いたら涙が溢れてしまうよ。三人のエピソードⅢがこの日、ウェンブリーで終焉を迎える。「メタルレジスタンスの咆哮」それが「レジスタンスの道」そして「第4章の幕開け」。感動のエピローグとなるこの曲が新たなエピソードⅣへと僕らを誘う。SU-METALの鳴らすドラの音がWembley Arena中に響き渡る。

 参加された皆様お疲れ様でした。外に出ると朝の光が眩しかった。朝だよ。相当キツかったけど、素晴らしいライブだった。間違いなく最高のライブを成し遂げたんだと誇らしい想いを胸に帰路に着いた。

 今更ですが長文すみませんでした。


★TMさんの投稿作品
・『ウェンブリー・ライブ・ビューイング 2016
・メタル学院一周年記念『TMのメタルブーム振返り!
・『デストラクション大阪公演 突然のライブレポート!
・『TMのヘヴィーメタルレジェンド Vol.2/リッチー・ブラックモア
・『TMの少年時代~HMとの出会い
・『TMのヘヴィーメタルレジェンド Vol.1/マイケル・シェンカー
・『TMの横浜アリーナ観戦記
・『Zepp Fukuoka参戦記
・『2015年巨大天下一武道会初参戦記