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TMの少年時代〜HMとの出会い

 TMの少年時代〜HMとの出会い1

 中学生の時、とある友達と知り合う。彼は一人っ子で、考え方が利己的でクラスに馴染んでいなかった。実は小学校でも同級だったが、接点もなく遊ばなかった。そんな彼がひょんなことから遊び仲間に加わることになった。

 MR:ウチにさ結構いろんな音楽を録りためているから聴きに来ないか? 洋楽なんだよ、洋楽。
 TM:音楽? 歌謡曲かい? なんだ? そのヨウガクって? サントラ?

 そんなボケた会話がキッカケで「洋楽」の世界に入った。
 初めはフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」が好きでよく聞いていた。結構MRがよく録り溜めていたので、かなりの音楽がそのテープで聴けた。そのテープを足がかりにポリス、ジェネシス、カジャグーグー、ZZ TOP、ワム、スタイル・カウンシルなどのヒットチャート系音楽に染まる。まあ、染まるって言っても、ガキでアルバムもロクに買えなかったからラジカセでFMのエアチェックだった。小林克也のベストヒットUSAとかね。U2のPVとか見て目からウロコだった。


 TMの少年時代〜HMとの出会い2

 中学の頃はMRのテープや自分が録り溜めたエアチェックした音楽を聴く毎日だった。はじめはモノラルのスピーカーが1つしか付いてないボロボロのラジカセを死ぬほど酷使した。(笑)集中して一年も酷使するとカセットテープを入れる部分が壊れて、差し込み式になった。(爆)ハイポジとかメタルエディションとか言う以前の状況だったな〜。テープが伸びて良く絡まって、開けてダラーっとなったテープを引き出して鉛筆を刺して巻いたものだった。
 かなり悲惨だったので、お年玉+援助資金を貰って、サトームセンで現品限りになっていたスピーカーが2コのステレオで重低音がウリのどデカイラジカセを買ってきた。中学生で一番の買い物だった。そのラジカセのおかげでエアチェックの質が向上した。予約もできるし、リバースも自動でする。手間が大分省けた。(笑)
 そんなことで、FMファンだとかFMステーションなんかを買って特集物を徹底的にマーク、チェックして録りまくった。何故かカセットテープは特売物が手にはいったから手当たり次第に録った。

 高校では学校が遠くなり、電車を使うようになって、乗換駅にあったドイトの中古盤屋を良く漁った。フォーリナーとかジャーニー、ツェッペリンとかが二束三文の価格で買えたので毎週漁りに行った。その頃、テレビでは白と黒に唇と言う前衛芸術みたいなTOTOのアルバム、アイソレーションのCMがガンガン放送されていた。やはりエアチェック主体だと超メジャーなものがどうしてもメインにならざるを得ない。
 

 TMの少年時代〜HMとの出会い3

 高校に変わった音楽を聴いている奴がいた。名前はSKという。なんとなく波長があって絡むようになった。

SK:おめー、どんな音楽聴くんだ?
TM:TOTOとかプリンスかな、洋楽全般を聴くよ。
SK:おめーがプリンスだ?
TM:うん、1999をエアチェックしてね、凄く気に入ってる。バットマンとか。
SK:プリンスはやっぱり、パープルレインだよ、そして、リトル・レッド・コルベット。おめーにはわからないだろうがな。
TM:そんなに言うなら聴かせてくれ。カセットテープに入れてくれ〜。と言うことで翌日120分のカセットテープを渡した。すると数日後、カセットに入れてくれたようだった。

SK:表にパープルレイン。裏にも入れといたから。
TM:ありがとう、聴いてみるよ。

 家に帰って早速聴いてみる。するとレコードの針が落ちる音から始まって、
「ハイディハイド-ハイダ、ハイディハイドーハイダ ハイディハイドハイダ、ハハハハハハハ」と懐かしい音楽が流れたかと思うと、いきなりハイトーンの叫び声が「アー」とはいる。衝撃的な音楽「Fast As A Shark」Acceptとの出会いだった。


 TMの少年時代〜HMとの出会い4

 翌日
TM:「なんだよあの音楽。」
SK:「やっぱりお前にゃ理解出来なかったか。」
TM:「めっちゃかっこいいじゃんか、なんてグループだよ。」
SK:「お前にゃ無理だよ。無理すんなって、アクセプトが分かるはずがねえ。」
TM:「そんなこと言わないで教えろよ。」
SK:「じゃあ、これ聞いてみ。」
TM:「メタルハート?」

 それから怒涛のごとく奴のレコードをダビングして聴く。

SK:「とっておきの一枚がこれ、Defenders of the Faith 、ジュダスプリーストだ。」
TM:「Accept、Iron Maiden、Judas Pristはわかる。でなんでPurple Rainなんだよ。」
SK:「そこがお前の愚かしいとこなんだ。」
TM:「さっぱりわからん。」

 当時は全くメタルなんて知らなかったから、マジでどれほどの物なのかは分かるはずもなかった。ネットなんてなかった時代だからね。中古レコード屋や貸しレコード屋にメタルコーナーが出来て置いてあったのを毎週チェックした。Walls of JericoからのRide the Skyが素晴らしいHelloweenのレコードを見つけて聴きまくった。大体週一で通っては掘り出し物を探した。