metalgakuin01

「メタルはわからん!」 by KAZZ01-METAL

 第1回 カッコイイからだべさ。

 怪獣とアニメが大好きな俺も小4にもなれば、段々と色気も出て来る。
 女子の前でカッコイイ所見せたい訳だよ。
 っで何を勘違いしたか俺は「外国の歌とか歌えれば女子の気ぃ引けるんじゃねえべか?」
 そう思ってビートルズのGET BACKとかポップ・トップスのマミーブルーなんかを耳コピで覚えて教室で口ずさんでみたりした訳さ。ww
・・でもさ~今考えるとアホだよね~~ だってそんな曲小4のガキが知ってる訳ないもんね~ww
 でも当時の俺は、んな事も分からずに調子に乗ってやってたですよ。

 当時家業が肉屋をやっていて、食堂とかに車で配達するんだけど、そこに同乗してたのね、よく。
 っでラジオから色んな曲が流れてくるんだけど、ある日「ベストテン北海道」って番組を聞いてたら、今でも忘れない第7位にDeep PurpleのHighway Starって曲がかかったのよ!
 全く何も知らんかったけど「何かカッコイイ~べや~」って思っちゃったのね!
 っでその瞬間、頭のフレーズとah~ha~Highway Star~~って所だけ覚えて翌日から教室で口ずさみ作戦って訳さ~
 当然誰も知らんし、女子なんかきっと「変な人~~」って思ってたに違いないね!ww
 でも当時の俺はそんな事も分からずに内心「オレ、カッコイイ!」って思ってたべさ。
 後々書く事になるけど、今にして思えばこれが俺のメタルらしきものに触れた一番最初だったと思うですよ~

 本当に小っちゃい頃から人前で歌を歌うのが大好きだったもんで、色気づいたらこんな行動に出ちゃったんだね~~(;^ω^)>


 第2回 目立ちたがりの歌いたがり

 これは小5の時の話し。
 当時クラスで忘れ物してくるヤツが多くて、学活で忘れ物してきた人は給食の時間に前に出て、皆の前で歌を歌うって決まりを作っちゃったのよ。
 こりゃ~普通は罰ゲームだよね!
 でも俺は思った。「ふ~ん、忘れ物すれば歌えるんだ( ̄▽ ̄)」
 俺は結構几帳面だったんで、殆ど忘れ物なんかした事なかったんだけどさ~
 歌えるって言われたら、そりゃ~忘れるでしょ!!ww
 まずは家で練習して、「よし!コレ歌おう」って事で翌週の月曜日に決行!
 その日忘れ物したヤツは男子だけ俺を含めて3人。
 しかも結構仲のいいヤツらだった。
「おい、お前何歌うのよ?」とか小声で訊いてくる訳。
「お前こそ何歌うのよ~?」って俺が聞くと
「こだまでいいべや~」っつ~返事。
 ”こだま”って歌知ってる?
 ”こだまが響く~山から山へと響く~”で終わっちゃうの、だから早口で歌えばすぐ終わるんで、忘れ物したヤツは大抵コレを歌う訳ね。
 御多分に漏れず2人はお決まりの”こだま”をやってサッサと席に戻ったべさ。
 最後は俺だよ!
 先生が「KAZZは何を歌うんだ?」
・・・来たよ! 「オレンジの雨を歌います」皆知ってる?
 因みにこの曲ね!
 野口五郎 オレンジの雨 (1978年5月)
 https://www.youtube.com/watch?v=OUKmFz9ocMk

 っで俺はフルコーラスで歌い上げた訳さ!
 歌い始めた時はクラスの連中も引いてたけど、歌い終わると拍手喝采よ~!!
 きっとあの時の俺は相当などや顔だったんだろうな~~www
 所が! その日の帰りの会で先生が「どうも忘れ物の罰があまり罰になっていない様
 なので、別の方法を考えて下さい」って言いやがった!
 結局その意見が通り、代案は昼休み廊下に立ってるに変わっちまったのよ。
 な~んだ、もう忘れ物なんかしてやんないよ~~だ!
 んなもんで、俺のリサイタルはたった1回で終わっちまったとさ~(´・ω・`)>


 第3回 少年時代前半はメタルなんか知らん!

 人から褒められると、す~ぐ調子に乗ってホイホイ木に登っちゃうお調子者の俺は、ノートにチョイとマンガ(デビルマン)描いたら友達に褒められて
 それからマンガの模写に没頭したのさ~
 小6の時がピークだった。
 この趣味は広く絵画やイラストにまで手を伸ばし現在まで続く。
 中学に入って中盤から「8時だよ!全員集合」に出ていたキャンディーズに狂う。
 解散するまで歳ごまかして「全キャン連」って言う日本初のアイドル親衛隊にまで所属を果たし、一生分のドルオタをここでやりきるんだ。
 この辺の件、本当は詳しく書いたらかなりオモロイんだけど本題から思いっきり離れちゃうんで、それは又の機会にね(^^)
 中3になってクラス替えがあってこの後中学に入って初めてマブダチってヤツができる。
 この頃だよ、サザン・ツイスト・アリス・松山千春・中島みゆき・ゴダイゴ・・・いっぱい出て来た!
 オールナイトニッポンとか聞き出したのもこの時期だな~
 火曜1部の所ジョージがメッチャ面白かった!

 俺はツイストっつ~か世良公則が好きで、休み時間とかになるとダチに
「おい、KAZZあんバラ歌えよ~」とか言われて調子に乗って熱唱してた。
 あんバラってのは「あんたのバラード」ね!

 あんたのバラード・・世良公則とツイスト
 https://www.youtube.com/watch?v=DQXVVphWj4g

 これがさ~~女子にウケちゃって、更に高い木に登っちゃう訳よ!ww
 女子に、アレ歌ってコレ歌ってとか言われてか~な~り~いい気になってたっす(;^ω^)>
 そうこうしてる内に高校受験な訳だ!
 何やかんやそれなりに勉強したら、それなりの高校に受かっちゃったのよ。
 その頃盛んにTVでかかってたのが甲斐バンドのHEROだった。
 SEIKOのコマーシャルソングだったんだよね!
 後に俺がバンドを始めるきっかけになったのが甲斐だったんだな~
 そして高校へ!
 いよいよメタルに近づいてきたよ~~ww


 第4回 ロン毛なんだよ

 高校に入った。
 実の所大して行きたい高校じゃなかった。
 本当は絵とか造形の勉強がしたくて、その辺で有名なH高に行きたかったんだけど、俺の成績じゃかなりギリだったのよ。
 それでも行きたいってごんぼ掘ってたら(意固地になるの意)その時の中学の担任がいい人でね~、わざわざ家まで来てくれて今回合格したE高を押してくれたんだよ。
 その殺し文句が「確かにE高は去年出来たばかりで何も有名なものは無いけど、その代り必修に美術はある訳だから、KAZZ君が入ってから美術部を作ればいいじゃないか!」
・・・俺が作る、・・いいねぇ! てめぇの好きな様にやれるって事か!!
 っで、E高に入った訳さね。
 俺は1学年6クラスある中の6組だった。
 それから2・3週間も経ってくると段々クラスの中も打ち解けてきて、休み時間にもなれば、ガヤガヤうるさくなってくる。
 そんな時女子が小声で話してるのを偶然聞いちまった。
「KAZZ君って世良さんに似てるよね~」
「私も思ってたさ~」
・・・マジかーー!! やべぇーー!!
 自慢話だが(アホ!)高校時代は俺の人生の最大のモテ期だった。ww
 それはともかく、中学時代から好きだった世良に俺が似てるって~~!!
 イイ気になった俺はその週末、他の女子から情報を集めて美容室に初めて行ってみる事にした。
 何で美容室かって? 
 決まってんじゃん! 月間明星とか読んでたら芸能人は男でも美容室行って髪切ってるらしいじゃん!
 やっぱ流行りのヘアースタイルにするには、それしかないと思った訳よ!

 チョット話を昔に戻すと、小3の時TVで見たフィンガー5の晃がカッコ良くて
それから髪を伸ばし出し、小4の頃には晃と同じ位の長さになってた。
 この時代俺が住んでた様な田舎町でロン毛の男子小学生なんて他にいなかったし、
元々背も高かったから目立っちゃうですよ。
 でも中学にもなれば、そうもしてられない。
 バッサリ切って普通にしてたんだけど、3年の夏辺りから又伸ばし出して
高校に入った頃には、肩にかかる位まで伸びてた。
 明星から切り取った写真を持って一人美容室へ。
 中は全員女! まっ当たり前だわな~ こんな時代まだ男の美容師なんかおらんかったし。
 俺を担当してくれたのは、結構な巨乳の大人な感じの美人系のお姉さんだった。
「男の人来たの初めてなのよ! 担当私で良かった?」
「はい、お願いします」
「それでどんな風にしますか?」
「この写真と同じにできますか?」
 俺はすかさず切り抜いてきた世良の写真を見せた。
「あ~サーファーカットね!これだけ長さがあれば大丈夫よ」
「じゃ、お願いします」
 俺はその後もこの美容院に1年程通い続ける。
 何でかって?
 だってよ~、シャンプーしたり横とかカットしてたら当たるんだよ、オッパイが!!
 そりゃ~行くだろ!!
 だから俺がその美容院に行ってる事は絶対ダチには教えなかった。

 っで、切り終わると・・・そこには鏡に映った世良公則がいた!(完全にアホだ!)
 月曜日、普通を装い俺は教室に入る。
 最初に気付いたのは、男子の方よ。
「お!その髪型カッコイイべや~! 何かバンドのヤツっぽくねぇか!」
「そ~か、大したことねえって」
 おめぇらはいいんだよ! 女子だよ、女子!!
「でもよ~何か世良にも似てるけど、ロッド・スチュワートにも似てるな!」
 ロッド・すちゅわ~です?? 誰だそれ??
 俺にそう言って話しかけてきたのが、後に初めて俺がバンドを組む事になる
Sってヤツだったのさ~!
 っでね、結局の所女子にもウケは良かったみたいだったよ。
 だってその1週間後、別のクラスの娘に付き合ってくれって告られたもん♪
 これを読んでる皆、心配すんな!
 後に地獄に堕ちる時が来るからよwww


第5回 そうだよ、いつだって動機は不純

 いきなり知らん外人の名前出されても、さっぱりなんだよ!
「誰だ、それ?」
「あっ知らないの~ じゃあチョット待って~」
 そう言ってSはカバンから1冊の雑誌を出した、「音楽専科」だ。
「確かどっかに載ってたんだよな~・・・あっあった!」
 そう言って俺に見せたのは「明日へのキックオフ」のジャケの写真だった。

http://rocksblog.up.n.seesaa.net/rocksblog/image/0-080920-00.jpg?d=a40

「な!似てるべ!」
「あ~確かに」
 ロッドを知らない俺にはそれが褒め言葉である事も分からない。
「名前KAZZだっけ、お前どんなの聞くの?」
「俺?普通だよ、最近ならツイストとか、昔はキャンディーズ好きだった。
 後はフォークソングとかかな~ お前は何聞くの?」
「俺はハードロックよ! 一番はUFOだな~ マイケルシェンカーがいいんだよ!!」
・・又知らん外人の名前出しやがった、気に入らん。
「ふ~ん、俺はせいぜいKISSとかSEX PISTOLSとかしかわかんね~な」
 そん位の会話でその時は終わった。

 5月に入ると宿泊研修があってオンネトーに行った。
 分かんない人はググってね(^^
 まあ、ここでも本題には関係ないバカ話はいっぱいあるんだけど、省略ね!(;^ω^)>
 諸々の行事もこなして、晩飯も風呂も終わって、さあ! ここからがフリータイム!
 寝室でどうでもいいバカ話に花が咲くんだよ!
 そしたらさ~他の部屋から3組のヤツがやって来たのよ。
「おい、ここにKAZZってヤツ居る?」
「あっ俺だけど~」
「俺Kって言うんだけどさ~チョットこれ聞いてくれや~」
 そう言ってKはカセットに入った音楽を聞かせ始めた。
 後に解るのだが、Led Zeppelinの「天国への階段」しかも永久の詩Verね。
「前奏長げぇ~な、何時歌に入るんだ?」
「まあいいから聞いてくれ」
 Jimmy PageのダブルネックSG12弦が奏でる前奏が切れて Robert Plantの歌が始まる。
 歌が段々佳境に入って盛り上がってくる。
 そしてPageのリード・ソロだ!
「ん?歌これで終わり?」
「違うって!これからイイ所だべや~」
・・んな事言ったって分かんないもんよ。
 そしてサビの部分が始まる。
「こっからよ! こっからよく聞いてくれ!」
 甲高いプラントのシャウト!
 そしてエンディング And she's buying the stairway to heaven~♪Ah~Ah~Ah~・・

 Led Zeppelin - Stairway to Heaven Live (HD)
 https://www.youtube.com/watch?v=9Q7Vr3yQYWQ

「っで、これが何なの?」
「お前、この声出るか?」
 つまりハイトーンが出せるかって事を聞きたかったらしい。
「今聴いたばっかりで歌分からんわ」
「言葉は適当でいいから、チョット歌ってみれや」
 そしたら、同室のIが「There's a lady who's sureだ」
 コイツ知ってんのか。
「分かった、適当だよ!」
 そう言って何とな~く歌ってみた。
「お~~いいべや! じゃさっきの高い所歌ってみてくれや」
 っで適当に歌ってみた。
「お~~出るな! 分かった、どうもな~」
 そう言ってKは去って行った。
・・何だったんだ??

 それから10分もしないうちに又別のヤツがやって来た。
「ここにKAZZって居るか?」
「俺だけど」
「チョットこれ聞いてくれ~」
・・またかよ!
 こいつは、Kより押しが強い、問答無用でカセットONだ。
 そうして聞かされたのはJudas Priestの The Ripperだった。
 ロブの低めの声で歌いだしいきなり超ハイトーンになる出だし。
・・そして聴き終わる。
 俺は言った。
「これ一人で歌ってんの?」
「そうだ、スゲェ~べ!」
 ん~確かに声は高いと思うけど、ようわからん?
 っでOが言う訳だ。
「お前これ歌えるか?」
 又さっきと同じパターンだよ。
「分かった、雰囲気だけね~」
 そう言って俺は出だしの部分だけ歌ってみた。
「お~~スゲェ~!出るな~! 分かった、じゃあな~」
 そう言ってOは去って行った。
 俺は線は凄い細かったけど結構高い声は出たのよ。
 フォークソングとか歌うには好都合だったんだよね~
 にしても、あいつ等一体何だったんだろう??

 翌朝、帰るってんで全員広間に集まって先公が一席ぶって終わるかと思ったら
有志で昨日俺んとこに来たOが一曲ギターを弾くってんだ。
 っで弾いたのが、昨日Kから聞かされた「天国への階段」のイントロ部分さ。
「スイマセン、歌は歌えないんで、ここまでです」
 って、おい! そこで終わりかよ!!
 後にこいつも別のバンド組んで対バンやったりするんだけどね~
 そんなこんなで宿泊研修も終わり、クラスの雰囲気もイイ感じになってきた所で
席替えをしようって事になった。
 方法はくじ引きね!
 後ろになんね~かな~と思ったら、やっぱクジ運がないんだよ俺は。
 右から2列目の前から3番目。
 隣は小っちゃくて色白で控えめで大人しい感じのH子ちゃんでした。
 でも俺の第一印象は、あんま好きくねぇなあ・・だった。
 越美晴って知ってる?
 ピアノの弾き語りのシンガーソングライターなんだけど、俺この人何か嫌いだったのよ。
 っでH子ちゃんは、チョット越美晴に似てたのね。

 ラブ・ステップ 越美晴さん
 https://www.youtube.com/watch?v=TceRBsgiq2c

 所がさ~隣だから話すじゃな~い。
 したらさ~いい娘なのよ~!!
 結局隣になって2日目には、惚れてたさ。
 っで、惚れちまったら色々知りたいじゃない!
 そんな時だ!H子ちゃんの所にSがやって来た。
 コイツ、席替えの前はH子ちゃんの隣だったんだよ。
「ねえHたん、昨日の渋谷陽一のラジオ聴いた!? ”蒼ざめたハイウェイ”
 かかってたよ」
「え~~そうなの!聴けばよかった」
・・??何話してんだ?
 その後判った事だが、彼女はCheap Trick事にVoのRobin Zanderの大ファンらしい。
 そうなんだよ! Sは洋楽野郎だから詳しいんだよ! クソったれが~~!
 俺も話に加わりてぇ~~!!
 その日の帰り俺はレコード屋に寄りCheap TrickのAT BUDOKANを買った。
 ついでに今月号の音楽専科も買った。
 あの野郎に負けてらんね~~べ!!
 帰って早速聴き捲ったさ! あ~~聴きましたとも!!
 でもって音楽専科も読みまくったぜぃ! 何書いてるかさっぱり分からんかったけど(;^ω^)>
 結局その日俺は徹夜した。
 もう頭ん中はROCKだらけだよ~~
 これで少しはH子ちゃんと話が合うべ!
 域用用と学校へ行ったのさ~~


 第6回 ROCK BOTTOM

 こんだけ必死こいて頭に詰め込んだんだ!
 今日はコッチから話を切り出そう。(一夜漬けのくせにww)
 教室に行くと既にH子ちゃんは来ていた。
 彼女はいつも学校来るの早いんだ。
「KAZZ君おはよう」
「おい~~っす! あのさ~H子ちゃんAT BUDOKAN持ってる?」
「えっKAZZ君チープトリック聞くの?」
「うん、ま~ね~」
「私チープトリックのレコードは一応全部持ってるよ」
「流石ファンだね~! 何の曲好きなの?」
「ん~そうだな~ KAZZ君は何が好きなの?」
「俺? 俺はサレンダーかな~」
「サレンダー私も好き!いいよね~」
「ロビンの歌詞の表現で声の感じを変える所がスゴイよね~」
・・イイ感じだ!昨日突っ込んだ知識が生きてるぜぃ!
「へぇ~何かKAZZ君、詳しいねぇ! 他に何か聞くの?」
・・来たぜ!その質問は想定内だ!
「月並みだけど、パープルとかツェッペリンとかかな~」
・・それ以上突っ込むなよ~ 本当は聴いてないんだからな~!
「ふ~ん、私他の洋楽はチョットしか聴いた事ないんだ。 何かいいのあったら教えてね」
「あっいいよ、聴いた事ないんならまずパープル辺りがいいんじゃない」
・・お~ いい調子じゃねぇかよ!意外と何とかなるもんだぜ!
「パープルってディープパープルでしょ? 何を聴いたらいいのかな?」
 そんな時だよ、話を聞きつけてSが刺さってきやがった!

「Hたんパープル聴くの?だったらまずはMachine Headだべね~
 KAZZもそう思わねぇ?」
「ああ、そうだね~ いいんじゃね~」
・・人の分かんない単語出して来るんじゃねぇよ!焦るじゃねぇかよ!
「俺はハイウェイスターとかイイと思うな~ じゃんじゃんじゃんじゃん・・・・」
 コイツ前奏を口ではじめやがった!聴いた事ねぇのに合わせら・・ん!?
 それ昔聴いた事あるぞ! 小学校ん時口ずさんでたヤツじゃねぇか!?
 俺は条件反射的に歌い始めた。
「Nobody gonna take my car I'm gonna race it to the ground
Nobody gonna beat my car It's gonna break the speed of sound♪」
「お~~!お前歌えんの~! スゲェ~んでか!」
・・やべぇーー!勝ったーー! アノ歌がこんな所で役に立つとは~
「いや~テキトーだって~ でもこんな感じだべや(;^ω^)>」
「な~んだ、お前結構聴いてんだべや~」
 キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン・・授業が始まっちまった。
 俺的にはジャストタイミングだったべよ!
「おっしたら又後でな~」
 Sは去って行った。
 その日は、イイ感じで休み時間にH子ちゃんとROCK談義に花を咲かせた。
 こりゃ帰ったら又新しいネタ仕込んでこないとヤバイなぁ~
・・・っで下校時間っすわ。
 さ~て、帰ぇろ~と思ったらSが初めて直接俺に話しかけてきた。

「なあお前、今日帰って何かやる事あんの?」
「いや~別に」
「お~ だったらよ~帰り俺んち寄ってけよ!」
「えっいいのか?」
「お~~コイコイ! 狭いけどよ~」
っつ~訳で、俺はその日の帰りSんちに寄ってく事になった。

「ここだ! まあ入ってくれや」
「・・お邪魔しま~す」
・・確かに狭いな、正直な感想だった。
 でもまあ、んな事はどうでもいいわ!
 コイツ何で俺を呼んだんだろう??
 茶の間の隣の部屋に通され、襖戸を閉める。
「一応ココが俺の部屋よ」
 四畳半の古い部屋だけど、如何にも洋楽好きなアンチャンの部屋って感じだ。
 何枚かポスター貼ってたんだけど、俺が覚えてるのはロン毛のマイケルシェンカーが
 白のフライングV弾いてるライヴの一場面のUFOのポスターだ。
 まあ、それがそう言うものだってのは、後で解るんだけどね~
「お前よ~パープルとか知ってんだな。 他にどんなの聴くのよ?」
 てめぇにそこ訊かれたら、薄っぺらな知識がばれちまうべよ~!
「いや~大して聴いてないって~」
 俺は適当に話を濁した。
「俺もROCK聴くようになったの中3になってからなんだ~
 だからそんなに知ってるって程でもないんだけどよ~ まあ、俺の一番好きなヤツ
聴いてくれや」
 そう言ってSがカセットレコーダーに一本のテープを入れた。

 何故か忘れもしない、SONYのAHF(青いの)だった。
 後に解るのだが、それはUFOのファーストアルバム「現象」だったんだ。
 聞かせ処から始めりゃいいのに、Sのヤツ1曲目から聴かせやがったんだよ。
「まあ、聴いててくれ」
 とか言いながらSは、曲をBGMに自分の中学時代の話しやら、クラスのあの娘
カワイイよな~とか、よくありがちな話しをしてきた。
 俺も適当に答えつつ、何とな~くSがROCKに弩ハマリしているジャンルが
ハードロックってヤツだって事が解かった。
 そんなこんなでアコースティックっぽい曲が終わり始めた時だった。
「いいか!この曲だ!この曲だけは黙って聴くべ!」
 言う通りにした。
 最初っからリードソロみたいなギターのイントロで始まるこの曲。
 歌が2コーラス終わりSが一言小声で言う。
「いいか、こっからだ!」
 最初ゆっくりしたギターソロで始まるんだけど、段々音が詰まって速くなってくる。
 そして高音部に登りつめて留目は啼きのチョーキング!!
・・・やられた。
 相当ヤバかった。
 俺はSに聞いた。
「コレ、何て曲よ?」
「ROCK BOTTOM」
「ギター弾いてるヤツ、何っつったっけ?」
「マイケルシェンカー」
「LPの名前何っつったっけ?」
「現象」
「・・分かった、俺も買うわ」
「いいべ~!UFO」
「いいな!マイケルシェンカー」
 まだ誕生日前の15才、俺がメタルいや、正しくはハードロックに初めて堕ちた瞬間だった。


 第7回 暴虐のハードロッカー

 ROCK BOTTOMにやられた後もSは俺に色々とハードロックライブラリーを見せつける。
「このアルバムがThin Lizzyよ!ジャケットカッコイイべ~!
 コッチがJailbreakでこっちがBad Reputationよ」

http://meccalecca.com/wp-content/uploads/2013/07/ThinLizzy-Jailbreak-Front.jpg
http://ecx.images-amazon.com/images/I/61xKEu5eT2L._SL1076_.jpg

 う~ん確かにジャケはカッコイイ、でも俺の頭の中ではROCKBOTTOMが鳴り止まないんだよ。
 他にも色々勧められたがそん時は、あんま頭に入んなかった。
 兎に角ROCKBOTTOM、兎に角マイケルシェンカーだったんだ!

UFO - Phenomenon - 05 - Rock Bottom (1974)
https://www.youtube.com/watch?v=aP5ikQpTR3c

 いい加減腹も減って来たんで今日の所は帰る事にした。
 Sんちから俺んちまで何処でバスに乗ればいいか分からんかったんで面倒だから歩いて帰る事にした。
 今にして思えばかなりな距離なんだけど、そこはほれ!若いからさ~ww

 我が家までもう少しって所でどっからか俺を呼ぶ声がする。
「お~!KAZZでか~久しぶり~!」
 振り返ると家の窓から手を振ってるヤツがいる。
 よく見ると中学時代仲の良かったYだった。
「お~!ここお前んちだったのか~」
「そ~よ、チョット寄ってかないか」
「腹減ってってからチョットだけな~」

 Yとはよく遊んだが、コイツんちに来たのは初めてだった。
 部屋ん中には、エレキギター(レスポール)があって、KISSのポスターが貼ってあった。
 そう言えばYはKISS大好き野郎だったんだっけ。
 母さんが麦茶と大福を出してくれた。
「そう言えばお前、俺んちに来るの初めてだべ?」
「お~、相変わらずKISS聴いてんのか?」
「KISSいいっしょ!KAZZはROCKとか聴かないの?」
「最近聴くようになった。Yさ~ROCK BOTTOMって曲知ってる?」
「お~、お前こそよく知ってるな~聴くか?」
 そう言ってYはカセットON!
 曲が流れ始めた・・あれ!?コレ違いますけど~~
「これROCK BOTTOM?」
「そうだよ!KISSのROCK BOTTOM」
・・へぇ~KISSにも同じ曲名のがあったんかい。
「あのさ、UFOってバンド知ってる?」
「知らねぇ、もしかしてそいつらにもROCK BOTTOMって曲あんの?」
「うん、それがスッゲーーかっこいいんだわ!」
「ふ~ん、だって俺KISSしか聴かねぇもん」
「そっかぁ~、じゃあしゃ~ねぇなあ」
 その後は○○高行った○○はどうしてるとか、よくある話をして俺は帰った。

KISS - Rock Bottom '96 [ Tiger Stadium, Reunion ]
https://www.youtube.com/watch?v=KzLeNtrAQzA

 家に帰ってからもROCK BOTTOMが頭から離れなかった。
 その2日後俺はレコード屋へ行き「現象」を買った。
 そして音源を手に入れたにも関わらず、俺はSの家へ遊びに行くと必ず最初に
ROCK BOTTOMをかけた。
 それからおよそ2月後、Sは俺に言った。
「なあ、いい加減他のも聴かないか?」


 第8回 テレフォンノイローゼ

 チョイと横道に逸れるけど、ハードロッカーとしてはまだ駆け出しだった俺は当然にしてジャパンの音楽も好きだった訳だ。
 その頃嵌ったのが「甲斐バンド」なのさ~
 高校受験の時期TVのコマーシャルで散々かかっていた「HERO」が嫌がおうにも記憶に残ってしまう訳で、その日俺は又もやレコード屋で何かイイモンないかな~と
 物色していたら、店員が「KAIBAND STORY」をかけたんだな。
・・お!コレ知ってるぞ・・
 このアルバム、ヒットしたHEROがA面の1曲目に入ってるんだけど、後はそれまでのアルバムからのベスト盤みたいな物だったのね。
 何気に聴いててB面へ~「裏切りの街角」「かりそめのスウィング」とかかる。
・・ふ~ん、この曲って甲斐バンドだったんだ~・・
 小学校の時聴いてたラジオでよくかかってたんだよ。
 そん時はフォークソングだと思って聴いてた。
 っで最後にかかったのが「テレフォンノイローゼ」さ。
 俺はこの歌詞に共感して聞き入ってしまった。
 最後の方の歌詞で「彼女は僕を夢中にしていると思っているけど、いい様に世の中回してるのはコッチさ」って所があって惚れちまった男の負け惜しみ感がたまんね~な~っと感じてその日俺は「KAIBAND STORY」を買って帰った。
 当然歌詞の中の「彼女」ってのはH子ちゃんに置き換えてる訳さ~ね。
 実際彼女とは、何度か電話で話した事があったんだ。
 夜家から抜け出して、10円玉しこたま持って歩いて20分位かかる公衆電話で10円無くなるまでたわいもない事を話してました。
 っで帰って子守唄代わりに「テレフォンノイローゼ」を聴いてたんだな~
 ん~~青春やねぇ~~~!

甲斐バンド テレフォン・ノイローゼ
https://www.youtube.com/watch?v=NFXYKERXb2A


 第9回 レコード屋の兄ちゃん

 高校入学当初、俺はチャリ通学だった。
 でもひと月でくじけた。
 だって遠すぎるんだよ~~!!
 今だって車で20分以上かかる距離だし、天気悪かったら最悪だよ!
 っで黙ってバス通にした。
 ウチの高校専用のバスみたいなもんだった。
 ウチの高校前から出発して終点が駅のバスターミナル。
 でもほとんどの奴らが”十字街”ってバス停で降りる。
 この田舎町の繁華街だからさ。
 そんで何処行くかっつ~とゲーセンよ。
 この時全国的にインベが大流行してた。
 そう! スペースインベーダーってヤツだよ!
 でも俺は何がそんなに面白いのか解らなかった。
 この当時たった3回しかやった事なかった、しかも付いてったダチのおごりでね。
 んなもん見ててもしゃ~ないんで、俺は向かいのレコード屋で暇つぶしをするのがこの当時の放課後の日課だった。
 あっ因みに親友になったSも弩嵌りしてたよww
 そんなにしょっちゅう買える訳じゃないけど、大方このレコード屋で俺は買ってた。
 この時期ほぼ毎日同じ様な時間にブラブラしてるから店員に覚えられちまったんだな。
 如何にもロッカーって感じの兄ちゃんに声をかけられた。
「いっつも来てるね~、どんなのが好きなの?」
「ハードロックっす」
「へえ~例えば?」
「UFOいいっすね~」
「マイケルシェンカーかい!?いいよね~もしかしてROCK BOTTOMとか?」
「知ってるんっすか!なんまらカッコイイっすよね!」
「解るわ~RIGHTS OUTとかもいいよ」
「え?聴いた事ないっす」
「OK!今かけてやるよ」
 兄ちゃんはレコードの棚から正にその名の通り「Rights Out」と言うアルバムを取り出し、かけてくれた。
 結構疾走感のあるカッコイイ曲だった。

ufo-lights out
https://www.youtube.com/watch?v=z-uFp0m2xNs

「いいっすね~!今度買いますよ!」
「いいっしょ~! じゃあさ~VAN HALENとかは知ってる?」
「いや、知らないっす」
「あら~それはイカンわ~! 分かった、これは聴いてけよ」
 そう言って兄ちゃんがかけてくれたのが、かの有名な「炎の導火線」だ!!
 しかも兄ちゃん分かってるからいきなり「 Eruption」から始めたんだ。
・・ぶっ飛んだ!!!
「ど~お?」
「あの~コレもしかして全部ギターでやってんの??」
「そうさ~、ライトハンド奏法って言うんだよ」
「ど~やって弾いてんだ~??」
「wwそうだよね~見たくなるよね~無理ないわ~」
 そんなだから、後程これら2枚はこの兄ちゃんから購入した。
 あ! 後ね念の為言っとくけど、この兄ちゃんRENTAって名前じゃないからね~ww
 この兄ちゃんからはかなり色々教わった。
 っでかなり色んなバンドのレコードも買った。
 Machine Head・LED ZEPPELIN IV・Rising・バビロンの城門・Virgin Killer・Tokyo Tapes
 他にもいっぱいあるけど、この兄ちゃんのお陰でSや他の奴がインベに現を抜かしてる間に
俺は着々と知識を身に着けていった。

 別の日に俺は訊いてみた。
「あの~スゴイロックっぽいんっすけど、バンドとかやってるんっすか?」
「そうだよ、BLACK JACKってハードロックバンドでベース弾いてるんだよ」
「へえ~~スゲェ~なあ!どんな曲演ってるんっすか?」
「リーダーがRAINBOW狂いだからRAINBOWとかパープルが多いかな~
 オリジナルも少し演るけどね~」
 俺は羨望の眼差しだったに違いない。
「もし良かったら、今度ライヴやる時教えるから聴きに来るかい?」
「絶対行くっす!!」
 この時は俺にとって兄ちゃんは眩しかった!
 俺より全然長い髪にウェーブがかかってて、敢えてのベルボトムジーンズでストーンズの
ベロTとか着てて如何にもハードロッカーって感じなんだよね~!
 この時俺は心の中で初めてこの欲求にかられた。
・・・俺もバンドやりてぇーー!・・

 更にメタルが加速するぜ!!


 第10回 本当はね・・

 こうして読んでると、まるでメタルへの道まっしぐら~って感じするっしょ!?
 でもね~実の所そ~でもないのよ。
 本編にあんまし関係の無い所ははしょってるからなんだけど、例えば男子5人・女子6人の仲良しグループが出来て、夏休みに砂湯って所にキャンプに行ったりとか、その前にSからそのグループのARISAが好きだって打明けられて
「俺が炎の導火線になってやる!」とか言って、夜に企画した肝試しで上手い事ARISAとセットで行かせてくっつけてやったとか、後にバンドのドラムになるKは釣りが好きでSはその影響で釣りに嵌って、2年の時別のヤツと釧路町の川に釣りに行って遭難して新聞に載って一躍有名人になったとか・・・
 くっだらないバカ話は無限にあるんだけど、書いてたらキリがないんで本編が無事終了したら、番外編で幾つかは書こうと思っております(;^ω^)>

 チョット触りだけ~
・・ある日の俺とSの会話。
 その時2人でTVの歌謡番組を見ていた時の事。
 柏原芳恵が「No1」って曲でデビューしたんだわさ。
「おい、KAZZ見れ!柏原芳恵だってよ、スッゲーー身体してんな~!!」
 Sは興奮していた。
「たしかにデカイ乳だな~、これで14才なんだってよ」
「え~~~!!14才だってか~~~!!・・・14才って幾つよ??」
 Sは真剣な眼差しで俺にそう訊いた・・・
 んな感じの馬鹿エピソードが満載なんだけどね~~ww


 第11回 暴虐のハードロッカー達?

 コッチは新参者だからさ~(新さまじゃないよ!)レコード屋の兄ちゃんやSだけでなく色んなヤツから教えて貰って影響受けたんだよね~

 後にバンドのメンバーになるNんちに遊びに行ったら、コイツはメッセージフォークとQUEENをこよなく愛してたんだ。
 岡林信康とか加川良とかね!
 岡林の山谷ブルースなんかは、有名じゃね?

 山谷ブルース 岡林信康
https://www.youtube.com/watch?v=yuPyhdzyGlI

 QUEENはチョットだけ知ってたっつってもTVでタイツの変な外人が似合わないいい声で歌ってるって位のもんだけどね(;^ω^)>
 Nんちで初めてキチンと聴いたんだよ。
 初めて聴くサウンドに面食らったけど、これはオモロイ!と感じたね!
 こないだ姫達とずっ友撮ったブライアン・メイがギターで、彼のギターは父さんと薪用の木を削って作ったとか(レッドスペシャル)、6ペンスコインを使ってギター弾くんだとかは、当時Nから教わった知識っす。

 この時代、不良も不良っぽいヤツもみ~~んな頭は宇宙戦艦ヤマトだったんよね~
 リーゼントって事だよ。
 っでそう言う連中はほぼ100%永ちゃんとキャロルな訳よ。
 所がそんな中にも居るんだよ~ハードロック野郎が!
 ある日Tってヤツの家に遊びに行った。
 宿泊研修の時俺に「天国への階段」の歌詞を教えたヤツだ。
 頭がヤマトだからそんなもん聴いてるなんて思わないべさ!?
 所がコイツんち行ったら、部屋にはGRECOのエクスプローラーがあってそこそこ弾きやがんの!
「お前コレ知ってっか?」
 つって教えて貰ったのがBOWWOWの「吼えろ!バウワウ」よ!
 なんつっても1曲目の” HEART'S ON FIRE”でぶっ飛んだ!
・・日本にもスゲェ~奴いるんだな~・・
 これを機に、ずっと追っかける事になる。

BOWWOW - HEART'S ON FIRE
https://www.youtube.com/watch?v=lVZQi9RJUaE

 後にバンドのドラマーになるKは、趣味は釣りで松田聖子のファンで、俺とは全く趣味が合わない感じと思いきや、コイツSCORPIONS大好きだったのよ~!
 だから話が合ったww
 マティアス・ヤプスよりウィルリッヒ・ロートだべや~とか、何かとレコジャケの絵面が問題になって発禁になったりするとかはKから得た知識だ。
 でもルドルフ・シェンカーがあのマイケルシェンカーの兄ちゃんだって事は俺がKに教えた! 何故なら事前にSから教わっていたからさ~~

 コイツは2年になってから知り合ったヤツなんだけど、名前はNって言うポンコツ野郎だ。
 どの位ポンコツかっつーと、ライヴの前日にチャリのハンドルにぶら下げてたおにぎりの袋を前輪に引っ掻けてチャリから放り出され顔から着地して、ライヴ当日顔中包帯グルグル巻きで現れたっつ~経歴の持ち主だ!ww
 たまたまそのライヴ、SILVER STARSの曲がメインだったんでグラサン掛けたら丁度お似合いだ~~って笑い者にしてやったんだ、アホめ。
 コイツの得意はLed Zeppelinなんだよ、一丁前に!
 レコードはⅠから全部持ってたな~
 コイツ、俺に知識はくれなかったけど、色々物はくれたな~
 バビロンの城門のカセット・ヘッドホン・レコード(主にパープル)等々・・
 そうそう!コイツの最大の功績はSJ君って言う1コ下のスゲェ~ギタリストを紹介してくれた事だよ!
 彼は後に出て来るよ、マジスゲェ~~奴だったべさ~!!


 第12回 KAZZステージに立つ

 夏休みも終わって学校祭がやって来た。
 第2回E高祭だ。
 前にも書いたけど、俺の行ってたE高は出来て2年目の高校で俺等の上は2年しかいないのさ。
 っで生徒会からのお達しで”紅白歌合戦”やるから各クラスから1組出場者を出してくれって事になったんさ。
 っで、HRで誰が出るんだって事になって俺は「んなのめんどくせ~」とか思ってたのよ。
 俺の興味はそんな事より生徒有志で先輩たちがバンドやるらしいって聞いててそっちの方が気になってたんだよ。
 だから上の空でろくに話も聞いてなかったんだけど、いきなりKAZZって名前が耳に入って来た。
 何だ~と思って話を聞いてみりゃ~・・・え~~~~~!!
 誰だ~! 勝手に俺の名前挙げたのは~~!!
 よくよく聞いてみりゃ~一緒にキャンプに行った女子の連中だったんだ。
 俺は言ったね!
「いや~~勘弁してくれや~紅白はいいわ~」
 そしたらさ~H子ちゃんが言ったんだよ。
「私KAZZ君の歌聴きたいな~上手でしょ!?」
・・やば~い ど~しよう 困った~~!
 H子ちゃんが更に言うんだよ、俺に。
「KAZZ君、歌うとすればどんなのがいいの?」
「う~ん、ツイストとかならいいかな~」
 所がだ! この時代オケなんてそうそう無いし、ましてやそんなもん簡単に作る機材も無い。
 だからレコード録音したテープをまんま流すか、てめぇらで演奏隊用意するしかなかった訳よ。
 そんな意見が飛び交ってあっさりツイストは却下。
 っておいおい!何か俺が歌う事になってねぇか、この流れ~!

 クラス委員が言う。
「誰か楽器演奏出来る人いませんか~」
 っで、アコギなら弾けるよ~ってヤツが3人出て来た。
 それで誰かが言ったんだ。
「フォークギターでやるんなら、アリスとかイイべや~」
 そしたらサッカー部のFが乗っかって
「俺チャンピオン得意だよ!チャンピオンだけね~」
 何やら皆口々に「いいな いいな」とか言い出してる。
 Fが俺に訊いてきた。
「KAZZチャンピオン歌えるか?」
「まあ、アリス好きだから分るけど~」
 とどめの一撃をH子ちゃんが食らわせた。
「チャンピオンいいね~!私聴きたいなぁ~!」
・・ハイハイ、分かりましたよ、歌えばいいんでしょ~!歌えば。
「じゃあチャンピオンやるか」
 俺のこの一言で1年6組はKAZZ・Fのチャンピオンに決定した。
 いいよ、こうなったらどうせやるんだ、感動させてやるべ!
 でもね~あんまし練習しなかったのよん。
 Fはサッカー部で練習とかあるっしょ。
 だからヤツが時間空いてる時でないと合わせられなかったのね。
 本番までにFんち行って2回しか合わせらんなかった。
 でもまあ、何とかなるべさ!
 よく考えてみたら、俺ステージに立って人前で歌うのってこれが初めてだったのよね。
 
 っで、当日。
 Fは心なしかソワソワしていた。
 俺はと言うと、これが全然緊張とかしないんだよ。
 きっと然程ヤル気が無かったからだと思う。
 出るからにはビシッと歌うけどね~位なスタンスだったんだな~
 1年1組からスタートだから俺等は6番目さ。
「いや~手に汗掻いてきた」
 Fが言う、貧乏ゆすりも止まらん様だ。
「まあ、あんまし走らん様に俺の歌に合わせてくれな~」
 さ~て、来たよ!俺等の番だ。
 2学年しかないとは言え、全生徒集まれば500人弱は居るもんでステージから見た客席は、結構壮観に感じた。
 Fはパイプ椅子に座ってアコギを弾き、俺は立って歌った。
 最後に判った事だが、てめぇらで演奏して歌ったのって俺等だけだったのよ。
 歌い出して曲も中盤まで来ると、一個上の女子の皆さんにウケが良いのが判った。
 しかもスカート長めで髪の色が明るい感じの皆さんに(;^ω^)>
 歓声も飛んできた。
・・結構いい調子だべよ!・・
 そして歌い終わった。
 したらだ! その先輩女子の皆さんからは、やんや やんやの喝采なんだが
 男子の方が何気にヤバイ感じになってて、ブーイングの嵐になった。
 お陰で、上の連中にすっかり目を付けられる事になる。
 あ~~めんどくせーー!
 今にして思えば、やきもちだったのね( ̄▽ ̄) カワユス~
 それから暫くの間は、下校時とか繁華街で逢ったりとかすると、先輩女子に声掛けられたり、色々貰ったりした。
 その代り、何度か男子には呼び出し食らってヤバヤバな場面もあった。
 俺はそん時思った。
・・バンドやったらもっとモテるな、こりゃ( ̄▽ ̄)・・


 第13回 ライヴ見たんですけど~

 学校祭の生徒有志は2日目の14:30からだ。
 一通りのプログラムが終わって最後にやるんだと。
 まっ当然俺は見に行きましたよ。
 体育館に行ってみると、中々の人だかりで最前には市内唯一の女子高から、ファンらしきセーラー服の塊が陣取っていた。
 実は有志は3組出るのさ。
 内2組はニューミュージクとかフォークとかの連中らしい。
 会場に生徒会の奴らがいる。
 書記は1年で俺の知ってるヤツなんで捕まえて訊いてみる。
「おい、バンドは何番目にやるのよ?」
「ああ、Yさん達かい?人気あるからトリになってるよ」
「そっかぁ~分かった、1組の持ち時間は?」
「30分」
・・なんだよ、後1時間もあるんじゃね~かよ!
 俺はひとまずふけて、その辺ブラブラして他校から来た中学時代の同級生と談笑したりして暇つぶし。
 気が付くと、お!もう1時間経ってんじゃね!
 体育館に行ってみると、さっきよりガッツリ人増えてるし!
 ステージ見たらもうメンバー上がってるし、早速始まった。
 っで、申し訳ないんだけど何故かライヴ中の事あんまし覚えてないんだよね~
 ハッキリ覚えてるのは、PANTA&HALのルイーズとARBの乾いた花をやったって事。
 それと、乗るとか騒ぐじゃなく唯見とれてた。
 このバンドのリーダーのYさんは、その後の俺のバンド人生に大きな影響を及ぼす事になる人で、ドラムボーカルなんですよ。
 兎に角カッコ良かった!!
 後に覚えていた2曲の原曲を聴いてみたらイメージが全然違ってた。
 ちゃんと自分なりのアレンジをしてたんだ。

1980 パンタ&ハル ルイーズ
https://www.youtube.com/watch?v=dcHnvuIiOeo

ARB / 乾いた花
https://www.youtube.com/watch?v=aVELUhKSeEI

 それから1月も経たないで街のライヴハウスで、Yさんが元々組んでるバンドでライヴ演るっつ~んで、そりゃ~行きましたよ!
 もう無い所だから名前出してもいいか!
 MILK CANDYってライヴハウスがあったの。
 夜の営業で当然お酒も出してるから未成年は入れませんよね~
 でも店長のトオルさんがイイ人でね~、私服で行けば目ぇつぶって入れてくれたのよ!
 学校祭よりは少し長い位のライヴだったかな!?
 その頃の俺はまだ色んなバンドも曲も大して知らなかったから分からんかったけど、オリジナルも2曲位演ってたんだよね~
 そして何故か覚えてるのが、コークハイと一緒に頼んだ焼きそばの味。
 だってこの焼きそば、絶対「ホンコン焼きそば」なんだもん!
 コレッて今でも北海道で売ってる地域限定商品なのよ。
 新参者さんとMEFさんは知ってるよね~
 あれよ! 一応肉とか野菜は入ってたよ、念のためww
 兎に角、生の演奏でカッケェ~曲歌うなんてさ~絶対いいよ~~!
・・俺もやりてぇ~~!!
 その思いは更に強くなるのでありました。

 第14回 バンドやるべ!

 この年Thin Lizzyの「ライヴ・アンド・デンジャラス」が発売になってSはすぐさま購入した。
 俺? 俺は岩崎宏美の「パンドラの小箱」を購入!
 え?・・いいんだよ! どうせSからテープに落として貰うから~
 そんなこんなで、もう秋だよ。
 ある日、登校してくるなりSが得意げに俺に言った。
「昨日従弟の兄ちゃんがギターくれたんだ!」
「え~~!いかったなぁ~、っでエレキか?」
「お~!テレキャスだけどな~」
「別にいいじゃねぇか、それでメーカーは?」
「グィヤトーン」
「グィヤトーン??」
・・何だそのメーカー、聴いた事ねぇぞ!?
「見に来るか~」
「お~行く行く!」
 放課後Sんちに行ってみると、有ったよ! そのグィヤトーンが。

http://guitar-expo.com/info/wp-content/uploads/2011/09/lg-20.jpg

 因みに正しい呼称は「グヤトーン」だお!
 当時読み方が分らんかったから、俺達はそう呼んでたんよ。
「お~いいじゃねぇか!良かったな~!・・所でお前弾けんの?」
「いいや、でも折角貰ったから練習するわ」
「おお、それがいいべ!早くROCK BOTTOM弾ける様になれや~」
「バカ!無理に決まってるべや~ww」
 っでね、コイツ以外に頑張ったんだよ!
 だってそれ以降一月位俺等と遊ばないで真っすぐ帰ってギター練習してたんだもん。
 だから見る見るうちに上達してさ、かなりコード憶えたんだ。
 っで、ストローク・アルペジオ・スリーフィンガーと弾き方も憶えた。
 指の皮がどんどん固くなってくし、しょっちゅう指広げる練習してる。

 2カ月も過ぎたある日Sが言った。
「おい、今日家に来いよ」
・・ふ~ん、大分弾ける様になったとみた!
「分かった、聞かせて貰おうか」
 放課後Sんちに行ってみると、テレキャスの他にアコギが1本増えてた!
「前にフォークギターでちゃんと音出せる様になったらエレキも上達早いって何かで読んだ事あったからよ~思い切って買ったのよ! 安いやつだけどな~」
・・本気だ、コイツ!
「お~スゲェ~んでか!まず弾いてみれや!」
 Sはおもむろにフォークギターを持つと、井上陽水の「東へ西へ」を弾き始めた。

 東へ西へ
https://www.youtube.com/watch?v=HxW28pGasEs

・・いいじゃん!うめぇじゃん!
 俺はギターに合わせて歌った。
「お~~いいんでか~!!他には?」
「んじゃ~コレ歌えるべ!?」
 そう言ってSはアリスの「冬の稲妻」を弾いた。
 当然俺は合わせて、しかもノリノリで歌ってやった。

Alice - 冬の稲妻
https://www.youtube.com/watch?v=j1EQy38mwL8

「いいとこコード憶えたから、コード進行分かれば結構弾けるわ」
「ヤルんでか~!大したもんでか~!どれ、エレキも聞かしてくれや」
 テレキャスと一緒に貰ったアンプにプラグを繋ぎスイッチON!
 ジャラ~~ン♪
・・お~~鳴ってるよ~!いいね~! 何弾くんかね~?

 ジャッジャッジャ~ ジャッジャッジャジャ~ン♪
・・出た~~!ギターの基本、「スモーク・オンザ・ウォーター」だ~~!ww
 でもコイツ、リードソロの途中まで弾きやがった! やるじゃん!!

ディープ・パープル - スモーク・オン・ザ・ウォーター(LIVE 1974)
https://www.youtube.com/watch?v=Sy1_wvkJjsE

「おお~~!スッゲーー!よくそこまで憶えたな~!」
「お~後もう少しなんだけどよ~、やっぱりリードギターはめんどくせーわ」
「い~や、なんもだ~!大したもんだって~!もうチョットやればバンド組めるべや!」
・・勢い余って本音を言っちまった。 しかしだ!!
「ん~そうだな~、もうチョット待ってくれ。
 順調にいったらよ~他のヤツも誘ってやってみるか~!?」
・・俺はSのその言葉を待っていた。 遂にその時が来たぜ!!
 ドラムとベースか・・・心当たりがあるんだよ!
 俺は翌日からメンバー集めを開始した。
 俺は燃えていた。


 第15回 新撰組

 翌日の放課後、俺は早速メンバー集めを開始する。
「お~N、今日お前んち遊びに行っていいか?」
「えっ、・・まあいいけど、いきなりなしたのよ?(どうしたのよ?)」
「まあいいから!それは行ってから話すわ」
 そこへ釣りで聖子のKが乱入!
「いいないいな~俺も行く~」
・・渡りに船ってヤツだ!
「お~いいぞ!行くべ行くべ~!Nいいべ!?」
「あ~いいよw」
 ってな訳で、3人でNんちにしけこむ事に。
「いや~ポテチに一味マヨネーズ付けて食うの美味いけど、胸やけるな~」
 この時俺等の間で流行ってたポテチの食い方だった。
「KAZZ~そりゃ~一人で一袋全部食えば胸やけするわ~ww」
「Nだって好きだべや~この食い方、ご飯のおかずにもなるぞ~」
「バ~カ、やりすぎだって~ww」
 そんなバカ話しでひとしきり盛り上がった所でそろそろ本題だ!
「所でよ~お前ギター弾けるんだよな~?」
「あぁまあそこそこな~」
「実はさ~バンドやろうと思ってんだけどさ~、今メンバー集めてんだ。それでよ~お前に頼みなんだけどさ~・・ベースやってくんねぇ!」
「え~~!俺ベースやった事ないよ!ベース持ってないし~」
「確かさ~お前の一番上の兄ちゃんベース持ってなかったっけ?」
・・俺は知っていた!初めてNんちに遊びに来た時、結婚して別に住んでる一番上の兄ちゃんがたまたま居て、チョコッと話した時昔バンドやっててベース持ってるって聞いてたんだよ。

「よく知ってるな~、でもまだ持ってんのかな~?」
「持ってるって言ってたぞ」
「何でKAZZが知ってんだよ?」
「前に遇った時に聞いた」
「まいったなぁ~、アンプはどうだって言ってた?」
「有るべさ」
「でも弾いた事ないし・・」
「だ~~いじょうぶだって~!!ど~せ皆素人なんだから問題ねぇべや!
 頼む、やってくれ~~!!」
「ん~~しゃ~ないな~、分かったよ。じゃあやってみるか~!」
・・は~い、1人確保~!俺の筋書き通りだわ~
 さ~て、次はドラムかぁ~・・・

「え~~!KAZZバンドやるの~~?いいなぁ~でもNにベース頼んだって事は
 ギター誰やるのさ?」
「Sよ」
「え!?アイツギター弾けんの?」
・・いい具合でKが食い付いて来た! 夏休みにキャンプ行った時コイツがバンドに
興味持ってる事、更にはドラムやりたいって言ってた事を俺はしっかり憶えていたべさ。
「うん、今結構イイ所まで弾ける様になったのさ~ だから今の内にメンバー集めて
 練習しとけば早くライヴられんべさ」
「ライブかぁ~いいなぁ~ ドラムどうすんの?」
「問題はそのドラムよ~! 高いモンだし自分で持ってないとダメっしょ~
 そこが参ってんだよね~」
 上手い事Nが合いの手入れてきた。
「ドラムないとダメだべさ~!誰か居るか~持ってるヤツ?」
「そこよ~参ったしょ~」
 堪り兼ねた様子でKが切り出した。
「俺さ~前からドラムやりたかったんだ~!チョットさ~今日家帰って親に相談
 してみるわ~だからチョット待って~」
・・堕ちた!ここまでは読み通りだな! 問題はKの親がそんな高い物買ってくれるかだ!?

 しかしその結果は予想以上に早かった!
 今の話が土曜の事で週明けの月曜の朝だよ!Kがキラキラした眼で俺ん所にやって来た。
「ドラム買うよ~!! お年玉貯めてた5万に親父が足りない分出してくれるって!!」
・・お前5万も金持ってたの!?ちくしょう!こないだ屋台ラーメン奢って損した。
「真面目に~!?スゲェ~なお前んち、そんでどんなの買うのよ~?」
「今日帰りにOTOYA寄ってカタログ貰いに行って考えるわ~」
 よく考えたらKんちって凄いよね~!だって37年位前だぜ!
 身銭切るとは言え、親がドラムセット買ってくれるなんてさ~
 あ~因みにOTOYAって言うのは、地元で有名な楽器屋で、ちゃんとした楽器買う時は
地元の連中はほぼ皆OTOYAで買うんだよね~
 更に言うと、コイツTAMAのインペリアル・スターの4タム2バスのセット買いやがった
んだぜ!
 当時で50万弱の金額だよ!ビックリだよ!お大臣だよ!
 っで俺は何故TAMAにしたのか訊いた。すると・・
「色々カタログ見たんだけど、TAMAのが一番リムがゴツくて丈夫そうだったのさ」
だってさ!
 とにもかくにも、これでメンバーは一応揃った!
 ギター=S ベース=N ドラム=K ヴォーカル=KAZZ
 4人で集まり話し合って決まったバンド名は「新撰組」
 俺が初めて組んだバンドだった。
 


 第16回 ライヴやるべさ!

 季節は秋をとっ越してもう冬だべさ。
 セトリもなんとな~く決まってきた。
 何つってもSがやれる曲次第なもんで、大体永ちゃんと甲斐バンドなんだわさ。
 そこは仕方ない!いきなしUFOだのLIZZYだの言ったってそりゃ~無理ってもんだよ。
 因みにこの時代、ロン毛なんか俺位でNは至って普通だし、SとKはヤマトだよww
 野郎共にとって永ちゃんの影響力は絶大だったんだよね~
 だから当然Sなんか俺にハードロック教えておきながら、その向こうでしっかり永ちゃん大好き野郎だったりする訳で、俺は”トラベリング・バス”とか”黒く塗りつぶせ”とかマスターせねばならんかったのだよ。
 甲斐バンドは、主に俺が普及させた影響でメンバーはおろか、クラスのかなりの連中が聴く様になっていたのでSの「弾きたい曲リスト」にも多くエントリーされたっちゅ~訳さね。
 Nはそもそもギター弾かせりゃ~Sより全然上手いもんで、ベース覚えるのも訳なかった。
 特筆すべきはKの器用さなんだよ!
 俺も結構器用な方だと思ってたけど、コイツ更に輪かけて器用だったのさ!
 俺は書道2段で調子に乗ってたらkは5段だってさ!
 更に絵描かしたら写実的なもんなら俺より遥かに上手いんだよね~
 っで、そんなKだからドラム覚えるのもスンゲ~早かった!
 1月でRAINBOWのKILL THE KING叩ける様になったべさ!!
 本当コイツには参ったわ~
 そんなこんなで演奏の準備は着々と進んでいったんだが、だがしかし問題があった。

「所でよ~何処でライヴやる~?」
 Nが訊いてくる。
 そりゃそ~だわな! やる場所なかったらライヴ出来ねぇもんな~
「チョット調べてみたんだけどよ~、福祉会館はダメだってよ。 デカイ音は出せないん
だって~」
 Kが更に・・
「他にないの?やれる所?」
「あるにはあるけど、借りるの高いんだって!カワイホールとかヤマハホールとかよ~」
 俺もこれには、ほとほと困っていた。
 この時期3人集まると最後はこの話しばっかだったのだが、だがしかし!ある日Kが
とんでもない事を言いやがった。
「あのさ~もし良かったら俺んちでライヴやらない!?やる日さえ決まれば家族とか
晩まで家開けてくれるって言ってるんだけど~」
 俺は自分んちの感覚で答えたよ。
「何言ってんだ~!バンドだぞ~!家ん中で出来る訳ねぇべや~お前んちそんなに
広いのか~??」
「う~んとね、茶の間の隣に和室があって、引き戸を外して繋げれば28条あるんだけど」
 ・・え? 28条あるって? 茶の間が28条なの~?
 何だそれ~~~~!! 金持ちだべよ~! そんだけあればやれるべよ~!
「本当にぃ~~!・・でもさ~デカイ音とか出しても大丈夫なのか?」
「あ~多分それは大丈夫だよ、周りの家離れてるし、俺いつもドラムの練習してても
何も言われた事ないもん」
 決定ーーー!! 会場はKんちを借りる事にした!

 っで観客は? ・・フフ~ン、そこは抜かりないべさ。
 キャンプの時一緒に行ったメンバー+俺歌うから聴きに来ない? っで集めた女子数名。
 全部でオール女子が12名だよ~~ん( ̄▽ ̄)
 そん中には、俺がくっ付けたSの彼女もいる訳で、Sも俄然ヤル気満々になる訳だ!
 これで全て御膳立ては整った。
 放課後Sんちに行ってライヴは冬休み1月7日(日)に決まった。
 何で12月にやらないかって?
 俺とSは勉強熱心だから皆より5日間程長く学校に通って補習受けてたんだよ~~
 っでこれまたKんちのご家族のご厚意で、1月4日からメンバー泊まり込みで
当日まで合宿する事になったのさ!
 ん~~~なんまら燃えてきたべよ~~!!


 第17回 ライヴはやったけど・・・

 よし! 正月も終わった。
 俺は年末のバイトとお年玉でマイクとスタンドを購入した。
 アンプは自前のROLANDのキーボード用のやつで間に合わす事にした。
 あっ俺ね、この頃シンセサイザー持ってたのよ。
 YAMAHAのSK15Dってヤツ。
 当時は最先端だったけど、今なら1万円しないでもコレより多機能な物買えるよね~
 それはさておき、俺もSもNもKの家行った事なかったのよ。
 コイツんち市内の端で俺はバス、SとNは釧路駅からローカル線で2駅目で降りる。
 駅で待ち合わせてKに迎えに来て貰い、Kんちに着いた。
 成程、ウマイ事周りに家が無い。
 そして家がデカイ!
 とりま入ってご家族にご挨拶。
「お邪魔しま~す!暫くお世話になりま~す」
 母さんがお出迎え。
「あら~~いらっしゃ~い。さあ、入って入って~」
 メッチャ気さくでカワイイ母さんじゃねぇか!
 兎に角俺等荷物が多いんで、まずは2階のKの部屋へ通される。
・・・有ったよ~~TAMAのドラムセット!!
 Kの部屋8畳もあったけど、流石に2バスのドラムセット置いたら狭いわ~ww
 まずはお約束、ドラム叩かして貰ってから~の打ち合わせだべさ。
「NはベースOKなの?」
「うん、兄貴に勧められて指弾き練習したんだ」
「本当にか!?やるな!!」
「Kはどうなのよ?」
「バッチリよ~!2バス使わないから下降ろす時バスドラ1個でいいわ」
「それでSは~?お前1曲弾き語りやるんだべ?」
「お~、なん~まら練習した!!任しといてくれ!」
 おっ階段を上る音が! 母さんだ。
「は~い、何もないけどど~ぞ♪」
 サイダーとポテチを持って来てくれた。
 Kんちの家族は、ほんっとに親切だったのよ~!
 っで、日中は兎に角音合わせ。
 何せ個々には練習してきたけど、合わせるのはこれが初めてなもんで実際にやってみたらSはリズム感が悪い事が判明した。

 偉そうに俺は宣った。
「いっか~、ベースとドラムがリズムセクションなんだから、そこに合わせるんだよ」
「分かってんだけどよ~何かダメなんだよな~」
 Sはすぐ走るんだよ。
 それでも何とかこんとか形になってきた。
 夜はミーティングとか言って関係ある事無い事色々喋って寝るのは毎回2時3時。
 あっという間に当日になったさ。
 女子軍団は時間を待ち合わせて同じバスで皆来るらしい。
 4人でお迎えに行ってとりま談笑。
 ライヴ開始は3時からだ。
 開始15分前、N以外の3人は会場を一時退却、自前の衣装に着替える。
 Nはって? この人そう言うのにめっぽう無頓着な人でそのまんまでいいんですと!w
 っで、ここでお詫びなんですが、実はこの時のセトリをちゃんと思い出せないんだよ。
 記憶にあるだけだと、1曲目は「トラベリング・バス」(矢沢永吉)
 以下順不同で、「ルイジアンナ」(キャロル)「きんぽうげ」(甲斐バンド)
「HERO」(甲斐バンド)「昨日鳴る鐘の音」(甲斐バンド・S弾き語り)
「ポップコーンをほおばって」(甲斐バンド)
 他に2曲やった筈なんだけど、思い出せないのよ~
 っでラストが「翼あるもの」(甲斐バンド)
 まあ、そんな感じで俺等の初ライヴはどうにか無事終了したのでした~
 兎に角Sは緊張してたな~ 俺にもMCやらせろ~とか言ってたから途中で一度
振ってやったのに、「ダメ、お前喋って」って速攻返しやがったもんな~ww
 お客(女子)の評判も上々で、同じ感じで春休みにも2度目のライヴをやったべさ。
 この時は、俺の希望で「宿無し」(世良公則&ツイスト)をやらせて貰った。
 この時は、Hたんも来てくれてヒジョ~にイイ感じだったのだが~・・・

 この頃からだな~バンドによくある”方向性の違い”とか”音楽性の違い”ってヤツが
出て来たのは。
 Nは元々俺が無理矢理頼んでベースやって貰っただけだったんで、特に自分が何を
やりたいってのは無かったのよ。
 問題は俺とKなのさ。
 俺はこのライヴがきっかけで週末になるとよくKんちに泊りがけで遊びに行ってた。
 2人共SCORPIONS好きなもんでそこから派生して、それぞれが開拓したバンドとか
教え合ったり、ドラムと歌だけでセッションしたり、拙い音楽論を交わしたり・・
 そうしている内に2人は共通の見解に至る。
・・やっぱハードロックがやりてぇ~~!!
 しかし、Sはそこまでギターに関してもバンドに関しても突き詰めている訳ではなかった。
 ここ2回やった様な事がレクリエーション的に出来れば満足だったんだね。
 でも血気盛んな時期の俺とKはそれでは満足できなくなっていたんだよ。
 それで2年になった年の6月に、Sにその旨を話して2回のミニライヴを最後に
”新撰組”は解散する事となった。
 でもまあ、元々友達から始まったんでその後もSとの関係は従来通り続きましたとさ。
・・今でもね!
 


 第18回 暴虐の蠍団

 今回から2話は俺が学生時代影響を受けたアーティストについて書いてみるべさ。
 高2になった俺は、兎に角ハードロックがやりたかった。
 だから片っ端から色々聴いた。
 パープルから派生してのRAINBOW、「バビロンの城門」にはかなり嵌った!
 LONG LIVE ROCK'n ROLLがロックンロール万歳って意味だと知ってカッケェー!と思ってたし、何つってもKILL THE KINGだべさ!
 俺はこのアルバム聴いてロニー・ジェームスデュオって言うヴォーカリストに憧れた。
 そして何と言っても忘れちゃなんないのがSCORPIONSだよ!!
 俺が彼らのアルバムで一番最初に聴いたのが「蠍団爆発!TOKYO TAPE」だったのさ。
 クラウス・マイネの声に痺れた!!
 ロニーとは、又一味違う声質で一瞬でやられた。
 重くて高くて粘っこいヴォーカルが好きなんだね~
 理由は簡単、無い物ねだりって事だと自己分析している。
 そこから遡ってスコピは聴いた、ほんっと良く聴いた。
 2年になったこの歳「LOVE DRIVE」が発表される。
 でもこのアルバムで俺はスコピを聴くのをストップしてる。
 理由は、その次に出た「電獣」を聴いてみて判った。
 俺はウィルリッヒ・ロート(当時はそう呼ばれていた)のギターが好きだったんだ。
 それに気付かされた。
 好きな曲を一々挙げてるとキリがないんで止めとくけど、やっぱ全部ウリーの時代の曲なんだな~これが。

Scorpions - Pictured Life
https://www.youtube.com/watch?v=Pm7Pz64zifY

 じゃあ「LOVE DRIVE」は?って事になるんだけど、・・だってさ~
 参加してるんだもん、マイケルシェンカーが!ww

 ここで小噺を1つ。
 2年になったある日、ダチ5人とSんちでたむろってた時の事だ。
 その日最新号の音楽専科を買って来てSが読んでたんだが、いきなりこう言った。
「おい、今度新しいバンドがデビューするんだってよ」
「へ~何て名前?」
「え~っと、アイロンマイデン」
「はぁ~!?何だその名前?」
「だって書いてあるって、ほら~」
 そう言ってSは俺に音楽専科を渡した。
 俺が見た所そこにはこう書いてあった。
 IRON MAIDEN
「なあ~、これよ~アイアンメイデンって読むんじゃね~のか?直訳すれば
 ”鋼鉄の処女”っちゅう意味だべ~」
 俺も英数は万年補習組だったけど、Sは遥か上を行ってた様だ。
 これ以後俺達の間では、このバンドは「アイロンマイデン」と呼ばれる事となる。
 エディー君御免ね~(;^ω^)>

その後もハードロックを起点にロック全般に渡って節操啼なく聴き捲った。
その中でも何故か気に入っていたのがJAPANだった。
知ってるかな~? 言ってみれば耽美系のビジュアルバンドのはしりって言っても
いいんじゃないかな~
でもルックスで惑わされがちだけど、かなり面白い音楽性を持ったバンドでしたよ!

Japan - Quiet Life
https://www.youtube.com/watch?v=xhm-EqcPta0

 そしてJudas Priestがあのライヴアルバム「IN THE EAST」を発表する。
 それ以前にもジューダスは聴いていたが、正直そんなに靡かなかった。
 でもこのアルバムを聴いてその認識はひっくり返った!
 エキサイターカッケェーーー!
 このアルバムもかなりヘビロテで聴いた1枚っす!

 他にもい~~~っぱい”これいいわぁ~~”レベルなら書ききれない位あるんだけど
その内の幾つかは機会があれば今後の話しの流れで紹介してみるわさ。

 っで最後に、正直言うと俺がRAINBOWを初めて聴いたのは高校に行ってからじゃ
ありません。
 入学前の1月に札幌で不可抗力ながらオンステージを見ています。
 唯申し訳ないけど、その時の事は書きたくありませんし思い出したくないのです。
 ですからこの件については質問されても何も答えられませんのでどうかその点だけは
ご容赦下さいませ。m(__ __)m


 第19回 WE ARE THE LOUDNESS GUY

 ここ何日か記憶を辿ってみたら、俺の所謂ジャパメタ好きになったきっかけは以前2度程登場したTが大きく影響している事が判った。
 そう、エクスプローラー持ってたTだよ!
 ヤツのパターンは大抵こうだ。
「おいKAZZ、今日俺んちに遊びに来ない?」
 誘ったのは、1年の学校祭の紅白で一緒に出場したFだ。
「いいよ~行くわ~」
 するとTが割り込んで来るんだ。
「F君俺も行っていい? 今日いいヤツ見っけてきたんだ~」
・・この”いいヤツ”ってのが曲者なのさ!
 っで、F宅にて・・
「F君これかけてみて、最初っからでいいから」
 Fがレコードに針を落とす。
「コイツ、スゲェ~~なぁ~!! なん~まらギター上手いんでか!!」
 俺は思わず言っちまったよ!
 するとTが得意げなんだな~これが~
「そうだべ~!凄いんだこのバンド、BOWWOWって言うのよ」
「ふ~ん、ギター弾いてるヤツは?」
「山本恭司」
「歌ってるのは?」
「山本恭司」
「・・・歌は辞めた方がいいなww」
 聴いたアルバムはファーストアルバム「吼えろBOWWOW」
 最初にかかった曲は” HEART'S ON FIRE”
 日本にもこんな奴等がいたんだ!っと思って感動した。
 まあ、今にして思えば山本恭司先生だって話しなんだけどさ~

BOWWOW - HEART'S ON FIRE
https://www.youtube.com/watch?v=lVZQi9RJUaE

 っで1つ不思議に思ってる事が・・俺が恭司先生を初めて見たのが16才の時なんだけど、今見ても全然変わらないのはどういう事なんだろ??

 っとまあ、こんな感じでTは良く新しい日本のバンドを俺に紹介してくれたんだ。
 四人囃子・十二単・外道・ノヴェラ等々。
 こうした中で俺達に一番ウケが良かったのがSILVER STARSなのよ。
 ファーストは覆面集団で声にエフェクトかかってて招待不明で話題となった。
 曲も一風変わったテイストのものだった。
 ギターヴォーカルの正体は山本恭司だって噂もあったけど、本当はどうだったんだろうね?
 2枚目のアルバム「SEE」ではメンバーを一新したんだろう。
 顔出しでハードロック感全開の曲風になった。
 A面1曲目の”マルコポーロ”がカッコ良かったんだよ~~!

MARCO POLO / SILVER STARS
https://www.youtube.com/watch?v=KwwiwxTP6Nc

 この曲はその後3年の学校祭の生徒有志でバンド組んでやる事になる。
 っとまあこんな具合で俺は日本のバンドにも目を向ける様になった。

 そして俺が日本のバンドとして是非とも書きたかったのが「LAZY」なんだ!
 同世代でレイジーって言えば”赤ずきんちゃんご用心”だよね。
 当時は俺もそう言う認識だったし、アイドルバンドだと思ってバカにしてた。
 所がだ! 例によってTがある日の事、久々にSんちで何人かで屯ってる時に1枚のLPを
持って来た。
 見るとレイジーのライブアルバムだってんだよ。
「お前、何でレイジーなんか持って来るのよ~?」
「まあ、いいからチョット聴いてみてくれ」
 そう言ってTは自らレコードをかけた。
 すると流れてきた曲は・・・
「えーーー!!コレUFOのTRY MEだべや~!!」
 しばし終わりまで拝聴する。
・・・スゲェ~~!!! ギターの啼きがまるでマイケルシェンカーだべよ!!
 そう言えばスージーってフライングVだったよな~・・・そう言う事かーー!!
 この瞬間俺は俄然LAZYに興味を持ち始めた。

 その帰り思い出したんだ。
 家に帰って俺は月間明星のバックナンバーを漁った。
 そして見つけた・・このアイドル雑誌には、毎回人気になったアイドルの
サクセスストーリーをマンガにして載せていたんだよ。
 そのレイジーの回を見つけたんさ!
 それによれば、既に中学の時点で大阪じゃあパープルのコピーやらせたら右に出る者は
いないとか言われてて、ラジオのオーディション番組に出てかまやつひろしの目に留まって
プロデビューしたって言うんだ。
・・こいつ等本当はハードロックやってたんだ~
 しかもプロフィール見たら、俺とドンパ(同い年)じゃねぇかよ!
 よく考えたらこれって凄くねぇか!?
 何であんなアイドルやってんだよ??
 これは、随分後になって判る事だけど、シンコーミュージックと契約する時まだ何も
分らんかった彼らは、契約条項もよく理解せんと5年契約を結んじまったんだよな。
 っで、蓋を開けてみたらセーラー服着せられて、アイドルソングやらされたって訳さ。
 後の樋口っつぁんの話しによれば、相当いやだったらしいよww
 っでそれからと言うもの、俺はLAZYがTVに出るって言えば意識して見ていた。
 今でも覚えてるのが、「レッツゴーヤング」って番組で出演してるアイドルが
その時流行ってる洋楽をカヴァーして歌うってコーナーがあって、その日は
岩崎宏美がジャーニーのセパレイト・ウェイズを歌うって言う。
 見てたら演奏はLAZYがやるって言うじゃねぇか!
 俺は凝視していた。
 リードソロになってスージーがV持って出て来た!
 スゲェ~~! 上手めぇーー!!
 同い年のヤツがTVん中でニール・ショーン完コピしてガッツリ弾いてやがる!
 俺はこの時確信した。
・・こいつ等絶対このまんまじゃ終わんねぇ、必ずスゲェーバンドになる筈だ!

 そして1980年、俺が高2の年7月から始まったツアー「DOMESTIC TOUR IN SUMMER」で「ヘヴィー・メタル宣言」が行われた。
 そして「感じてナイト」を発表、TVの歌番組に出て来た彼らはもうアイドル然とした
出で立ちではなく、個々が思い思いのメタルファッションに身を包み、曲もアレンジも
それまでとは違う、メタル感の強いものとなっていた。
 曲の最後にはデイビーがドラムソロで締め、スティックを放り投げて去って行くっつ~
何ともカッコイイものだった。
 その後、アルバム「宇宙船地球号」を発表。
 曲は全て自分達でアレンジも含めて手掛けた。
 コレを聴いた時、俺は嬉しくて正直泣いた。
・・やっぱりそうだったんだ! 本当にやりたかったのはコレだったんだ!!
 しかし、この年の5月LAZYは解散する。
 でも俺は信じていた。
 絶対このままじゃ終わらない! 高崎は絶対何かやる!!
 その後音楽誌でLOUDNESSと言うバンドがデビューすると言う記事が!
 写真を見るとそこには確かに高崎晃と樋口宗孝の姿が!!
「他の2人は誰なんだ?」
 記事によると、ベース=山下昌良 ヴォーカル=二井原実 とある。
 しかもヘヴィメタルバンドとしてのデビューだ!
 俺は皆にいいだけ行って回ったが、無しの礫だった。
 ”元レイジー”ってのがダメだったらしい。
 でも俺は信じ続けた、こいつ等ならきっとやってくれる筈だと!!
 そしてファーストアルバム「THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜」を発表。
 俺は例のレコード屋の兄ちゃんから前日にフラゲして早速聴いたぜ!
・・・これだ!!遂に来たよーー!バリバリのヘヴィメタルじゃねぇか!!
 信じ続けた甲斐があった!俺の眼は間違ってなかった!
 ズビズビ鼻かみながら一気に5回も繰り返し聴いたさ!

 その後もLOUDNESの快進撃は留まる事を知らず、2nd「DEVIL SOLDIER 〜戦慄の奇蹟〜」
 3rd「THE LAW OF DEVIL'S LAND 〜魔界典章〜」をリリースする。
 俺はこのアルバムの「IN THE MIRROR」を聴いた時、こいつ等は絶対世界に行く。
 世界で通用すると強く思った。
 4枚目の「DISILLUSION 〜撃剣霊化〜」でそれは、確信にも変わった。
 俺は今でもこのアルバムがLOUDNESSの最高傑作だと思っている。
 その後、「THUNDER IN THE EAST」を引っ提げてアメリカに殴り込みをかけ
その後どうなったかは、メタラーな貴兄なら良く知る所であろう。
 アジアのアーティストとして初めてMSGのステージに立ったのもLOUDNESSなんだぜ!

 っとまあ、今回はチョット熱が入り過ぎて長くなっちゃったけど、勘弁ね~(;^ω^)>
 え? 浜田麻里は?って・・・MARIは今後の話の中で別個に語りま~す。
 彼女も俺にとっては特別な存在なのでね~~
 


 第20回 ROCK喫茶VICKY

 2年になって俺とKは、時には一緒に時には個々でバンドメンバー探しに奔走していた。
 兎に角ライヴでハードロックがやりたかったんだ。
 学校の同期には、方向性の合うヤツがいない。
 一個上には、Yさんがいるが Pied Piperってバンドを組んでて市内じゃかなり有名だった。
 市内の学生でバンドやってる連中は、大方この Pied Piperを目標にしてた位だ。
 他校やそれ以外の人達との繋がりを作る為にも、色んなライヴに出向いた。
 行く時は、如何にも”俺はハードロッカーでバンドやってるぜ!”って風情で行く訳だよ。
 その頃市内には活動してるアマチュアバンドが10組程いて、どっかこっかで月に2度位は
 何個かで対バン組んでライヴをやっていた。
 そうして得た情報でVICKYって喫茶店があって、そこにバンドの連中やらファンの連中やらがよく来るって言うんで、俺とKも早速行ってみる事にした。
 場所は繁華街に近く大きな公園の横の通りに面していた。
 入口は少し古い感じの木製のドアで入ってみるとそこはROCK喫茶だったんだ。
 カウンターの他にボックスが6個あってチョット薄暗い感じ。
 各ボックスを仕切っている衝立にLPレコードのジャケがはめ込んであって、主にレアなものとか、曰くつきのとか、通好みのヤツが飾られていた。
 かかってる曲も当然ROCKなのだが、初めて行った時俺には誰の何の曲だか分らんかった。
 マスターは自分らより世代が1つ上なんだもん、ビートルズ・ストーンズ辺りをリアルタイムで経験してる訳だから無理もない。
 まずは注文だ。

 メニューを見ると・・・
「おいK、ウインナーコーヒーって知ってるか?」
「え?何それ、初めて聞いた」
「そうか~、どんなコーヒーだと思う?」
 2人の頭の中には同じ映像が浮かんでいた。
 白いカップの中のコーヒーの上のに赤いウインナーが2個位浮いてるんだよ。
「なあ、頼んでみるべ!」
「え~~嫌だよ~俺ココアでいいよ~」
「失敗したって1回だべや~これにするべ!」
 マスターが来た。
「すいません、ウインナーコーヒー2つ下さい」
「もう~不味かったらKAZZ責任持てよ~」
「わ~かったってぇ、ウインナーだけ食ってやっから」
 そうして出て来た物はコーヒーの上にホイップクリームが乗った美味そうなもんだった。
 飲んでみる・・・
「うめぇ~~!砂糖とか入れるより全然うめぇ~な!」
「良かった~ちゃんとした物で」
 以後俺等の定番となったのさww
 此処には「伝言ノート」ってモンがあって、要はバンドの連中やファンの娘達が色々書いて
時にはそのコメントに返事を書くっちゅう、いってみればこのスレのアナログ版だな。
 まずはそれを読んで市内のバンドシーンの現状把握だ!
 読んでみると、一目瞭然で人気の度合いが判った。
 やっぱYさんはダントツNo1人気なんだ。
 何個か美化した似顔絵まで描いてあるわ。
 時にはメンバー募集のコメントなんかも載ってたりするんで、この頃は最低週2回は
VICKYに行ってた。
 1月もすればすっかり顔なじみになって、独りで行った時にはカウンターでマスターと
話しも出来る様になっていたわさ。
 ウインナーコーヒーも「マスターいつもの」で出て来る様になって
俺はチョット大人な気分だったりしたもんさね。(学ランだっつ~の!ww)

 ライヴにも足蹴く通ってたもんで、何人かとはそこそこ話しも出来る様になっていた。
 そんな時だ!ある日、工業高校で1個下のUってヤツと知り合った。
  チョット生意気なヤツだったけど(お前が言うな!)Thin Lizzyが好きなギター弾きだ。
コイツ、今いるバンドを辞めて新しくバンドを組みたいって言う。
「俺リジーがやりたいんだけど、今のバンドやらしてくんないんですよね~」
「ふ~ん、例えばどんなのやりたいのさ?」
「”虐殺”とか”アリバイ”とか”脱獄”とかかな~」
「へぇ~いいんじゃねぇ~、Jailbreakとか俺も好きだな~」
「後ヴァン・ヘイレンもやりたいんですよ~」
「ホントにか!でも弾けんのか?」
「イラプションは厳しいけど、 Somebody Get Me A Doctor は弾けますよ」
「やるんでしょ!っで他のメンバーはいるの?」
「最初は弾きながら歌おうかと思ったんだけど、無理だったんでヴォーカルだけ。
 ベースは返事待ちっす」
「ふ~ん、じゃあさ、ベースOKだったら一回スタジオで合わせてみない?
 俺ヴォーカルやってるんだわ」
「本当っすか!?じゃあ電話番号教えて下さいよ、連絡します」
「お~宜しくな!」
「所でKAZZさん、何飲んでるんっすか?」
「あっコレ、ウインナーコーヒー 美味いよ」
「なんか、カッコイイっすね~」
「まあね~」・・・・(;^ω^)>
 っとまあ、そんな会話で別れた訳だが話が上手く行き過ぎて実はあんまり期待は
してなかったのだが・・・

 その日の晩にTELがあったべさ!
「KAZZさん、俺ですUです。ベース決まりました! それでミューズで来週の土曜5時
 集合でお願い出来ますか?」
「あぁオッケー、それで何憶えて行けばいい?」
「実はKAZZさん以外もう4曲出来るんっすよ~ なんであんまし時間も無いんで
  Somebody Get Me A Doctorとリジーの Are you ready憶えれますか?」
「後2曲は?」
「いいんっすか!?」
「教えて」
「Girl の Hollywood Teaseとリジーの虐殺です」
「分かった、全部丸暗記は無理かもしれんけど、全部歌える様にしてくわ」
 カッコつけたものの、約束の日迄丁度1週間で4曲ね!
・・え~~本気出しました。
 全部憶えましたよ~!
 あっそれとね、ミューズ(MUSE)ってのは、市内に1件だけあった貸スタジオの名前だお。
 唯、気がかりだったのがKの事なのよ。
 俺は正直に事の次第をKに話した。
「そっか~、良かったっしょ~!俺の事は気にしなくても大丈夫だよ。
 実は従弟から一緒にバンドやらないかって誘われてるんだ~」
「え?そうなのか!?そんで何やるのよ?」
「パンクだって」
「パンクーー!? お前いいのか?」
「う~ん、わかんないけどやってみようかな~と思って~」
「お前がいいなら別にいいけど・・でもチョット面白そうだな。
 ヴォーカルは誰やるのよ?」
「従弟」
「・・分かった!お互い頑張るべよ!」
「お~分かった」
 そんな事で、ここから俺とKは別々の道を歩き始める事となった。

Van Halen - Somebody Get Me A Doctor (US Festival 1983)
https://www.youtube.com/watch?v=l66etP7mBJU

Thin Lizzy - Are you ready
https://www.youtube.com/watch?v=oyEqmtK3ul4

Girl - Hollywood Tease
https://www.youtube.com/watch?v=j5J_V2YyH-c

Thin Lizzy (Live & Dangerous 1977) [05]. Massacre
https://www.youtube.com/watch?v=8fZ-TvSjCkU


 第21回 名前はPROJECT 0

 ・・そうか~Kはパンクやるのか~
 本人が決めたんだからしゃ~ないわ!
 とりま俺は今日が最初の音合わせ&初顔合わせだよ。
 ミューズには17:00集合の所15分前に到着。
 着いたら既に誰か練習してた。
 小さな窓から覗いたらYさんのバンドだった。
 お~こりゃラッキー!
 コッチの音合わせが始まるまで暫し見学しよう。
 ・・と思ったらUが来ちゃった(;^ω^)>
 おやおや、後ろから他のメンバーも来ましたわ。
「こんちは~KAZZさん歌大丈夫ですか?」
「ウッス!全部憶えてきたべよ~」
「え~~スゴイっすね~!あっ他のメンバー初めてですよね」
 そう言ってUはサイドギター・ベース・ドラムを紹介した。
 話しを聞くと全員俺より1個下なんだ。
 ドラムはUが前のバンド抜けた時一緒に抜けたヤツ。
 サイドギターとベースは、同じ工業の同級生らしい。
 詰まる所が全員同じ高校の同級生メンバーなんだな。
「それじゃ~やるかい!?」
「そうっすね、始めますか」
 ミューズにはスタジオが2つあって、俺等はYさんの隣で始める事に。
「じゃあまず Hollywood Teaseからいきますか!」
 ・・ほう、流石に既に合わせてるだけあってソコソコ纏まってるんでしょ。
 そんな感じで4曲一通りやってみた。
「どうよ?」
「そうっすね~、KAZZさん声綺麗っすね~荒くていいからもっとデカイ声出ないっすか?」
 え~~!初めて言われた~いっつも声デカイって言われるのにな~
「分かった、次までに直してくるわ」
「やっぱしヘヴィメタルなんで、デカイ音でやりたいんですよ」
 ・・成程こいつ等皆ボリューム上げてる訳だ!
 ふとドアの方を見るとYさんが覗いていた。

「こんちは~中で聞かして貰っていい?」
 Yさんが入って来てこう言った。
 当然バンド界では有名人なんで皆チョット緊張した感じだ。
「何か気が付いたら遠慮なく言って下さい」
 Uは誰に対してもあんまり物怖じしないヤツなんだよ。
 っでアっちゅう間に練習は終了~
 スタジオを出て外で暫し談笑。
「ハリウッド・ティーズカッコイイねぇ、今度ウチもやろう」
「何か気が付いた点とかないっすか?」
 Uはこんな調子でグイグイ来るんだわさ。
「う~ん、ドラムがリズム安定しないと上物がグルーブし辛いんじゃない?
 ヴォーカル・・よくライヴ来るよね、ウチの高校の後輩だよね!?」
「ハイ、そうっす」
「声高いよね~いいな~」
 ・・・褒められた( ̄▽ ̄) そうだよ!俺は褒められて伸びるタイプなんだよ!w
 その日は、この後解散。
 その帰り俺は新富士海岸に向かった。
 もっとデカイ声出ないかだってーー!
 ああ分かったよ、出してやるよ!
 以前、誰かがワザと声荒らす為に海に行って歌ったってのが記憶にあったんで
それに倣ってハスキー且つデカイ声で歌える様に海で練習する事にしたんだ。
 負けるのが嫌な性格なんで、納得いくまで続けたもんでそれから毎日通った。
 でもね~ディストーションはかかる様になったけど、声質までは変わらんかったね~
 後は肺活量を増やして声量はアップさせたけどね~
 一週間後の練習では、OK出たんでしてやったりだわさ!
 ライヴはレパートリー2つ増やして練習5回目でGOとなった。

 ライヴは全部で4バンドの対バンでカワイホールで行った。
 こん時始めた割当て貰ってチケ捌いたよ~
 一枚500円で1人10枚、野郎に来て貰ってもテンション上がらないんで
俺は全部学校の女子に捌いてやった。
 当日は定員80人で立ち見も突っ込めば100人ギリって感じで今回は90以上は
来てくれた様だった。
 結構なもんだよね~
 ウチラは一応新参者なんで、オープニングだった。
 バンド名は”PROJECT 0”なんとなくな感じで俺が付けた。
 一組30分位の持ち時間だから一応5曲でセトリを組んだ。
 最初にやった4曲に Van Halen のAin't Talkin' 'Bout Loveで5曲。
 個人的には、かねてからやりたかったハードロックしかも全て洋楽でやれたんで
満足だった。
 実は今回のライヴには、Uが辞めた元バンも出ていた。
 ライヴが終了して、そのバンドのリーダー(ベース)と少し話しをした。
「あの~Uどうですか?ちゃんとやってますか?」
「あ~別に問題ないけど、何で?」
「いや、あの正直言うとアイツ人に気ぃ使わないしわがままだから、上手くいかなくて
 クビにしたんっすよ」
「えっそうだったんだ~」
 ・・成程、物は言いようってやつだ。
 辞めたんじゃなくて、辞めさせられたのね~
「多分振り回されると思うんで、気を付けて下さいね」
「あ~そりゃどうも」
 彼の言った事はすぐに現実となった。

 それから数日後、サイドギターが辞めた。
 詳しい理由は聞けずじまいだったけど、何でも学校で喧嘩したらしい。
 更にベース君からTELが・・・
「KAZZさん聞いて下さいよ~俺ベース指弾きなんっすけど、Uが指弾きなんて無理だから
ピックで弾けとか言うんっすよ~ダメだアイツ~」
 ・・ハハ~ン、そう言う事か。
 一応なだめておいてはみたが、結局辞めた。
 Uはいつもそんな調子だったらしく、バンド間では噂になってしまってその後も
新メンバーは集まらなかった。
 俺はUとVICKYで会って、解散するべって事で話は落ち着いた。
「バンドって人間関係難しいなぁ~」
 思わずそんな独り言が出てしまう17歳の俺であった。
 

 第22回 第弐特殊部隊

 今回は、これまで何回か登場している1個上の先輩のYさんの事を書こうと思う。
 何故なら特に学生時代一番影響を受けた身近な存在だったからだ。
 俺がYさんと仲良くなって色々話す様になったのは、YさんがE高を卒業して俺が3年になってからだ。
 よく週末、MILK CANDYって言うライヴハウスで呑みながら話した。(まあ時効って事で)
 その頃話して判った事は、実は中学も同じだったって事だ。
 全然知らんかったんだな~これが!
 Yさんは、既に中1の時点でROCKに目覚めギターを始めたらしい。
 2年になってバンドがやりたくなって、メンバーを探したがギターやベースはソコソコいるものの、ドラマーが何処にもいなかったらしい。
 まあ、中坊でましてや自分らの時代ドラム持っててやってるヤツなんてそりゃ~皆無ですわ!
 っで、Yさんは考えた!
 じゃあ俺がドラムやればメンバーすぐ集まるんじゃないかと。
 そこで親との交渉の末、何とかPEARLの一番安いセットを買って貰える事になった。
 買って貰ったばっかの時は、タムは2個・シンバル2枚でフロアーも無かったんだって。
 高校に合格したお祝でようやくフロアーとシンバル2枚を増設出来たらしい。
 中3の時にはめでたくバンド結成にこぎつけて、ギター・ベース・ドラムの3ピースで始めたんだと。
 そこで問題が! ・・ヴォーカル誰がやるの?
 Yさん当初は歌うつもりは無かったらしいのだが、やはり歌う人が居なかった為、自分でヴォーカルもやる破目に~w
 そうしてYさんのバンド「 Pied Piper」は当時珍しいドラムヴォーカルのバンドとしてライヴデビューする。
 Yさん、ヘアースタイルがロッド・スチュワートみたいで顔も童顔だったもんで同世代の女性ファンが急増して中々出だし好調だったみたいよ!

 当初やってたのは、ハードロックのコピーが主で、親友のSが中3の時に Pied Piperの
ライヴ見に行って、えらく感動したって言ってたっけな~
 どの位の出来だったのかは知る由もないけど、当時で既にVAN HALENのイラプション
から~の You Really Got Meとかやってたらしい。
 俺はその当時のメンバーの事何も知らんかったんだよね~
 これは後にYさんから聞いた話しなんだけど、実は俺が1年の時所属してた絵画部の
先輩で、そのヘアースタイルから”鬼太郎さん”ってあだ名の人がギターやってたんだと!
 絵画部に居た時は、イラプションなんか弾きそうな感じ微塵も無かったんだけどね~
 それから Pied PiperはYさんが高2の夏まで約2年続いたそうな。
 俺は最後の方のメンバーでのライヴを1回しか見た事ないんだよ。
 でもYさんスゲェ~~カッコ良かった!
 っで、 Pied Piperは解散する。
 何故かって~と、Yさんがやりたい音楽が段々変化してきて一度全部リセットして
新しい形で始めたかったんだって。
 Yさんが3年の夏頃、そのバンドのメンバーを探し始めた。
 ギターはS高からEYさんって人を探して来た。
 何でもギターのカッティングが気に入ったんだそうだ。
 そしてここで事件発生!
 何と、俺のダチの1人がベースでメンバーに選ばれたっつんだよ!
 っで、選ばれた理由が声が高いからってオイ! 俺の方が高いべよ~~!ww
 しかもコイツTKは、ベースなんかやった事ないときたもんだ!
「おい、お前Yさんのバンドでベースやるんだって~」
「お~選ばれちゃってさ~、これからベース覚えなきゃなんねぇんだ~」
 カァ~~ムカつくわ~~!って丁度この頃俺はPROJECT 0ですったもんだやってた頃
だったからな~

 それから3カ月位して、TKに訊いてみた。
「その後ど~よ?」
「ああ、練習やってるよ!まだ3曲しか出来てないけど~」
「ふ~ん、っでどんなのやってるのよ?」
「詳しく言えないけど、オリジナルよ~」
「え~~~!!オリジナルって、Yさん自分で曲作ってんの~~!?」
「そうだよ、作詞も作曲もアレンジもやってるんだよ」
「へえ~~、スッゲェ~~なぁ~」
 それから更に2カ月後、遂にYさんのバンドの初ライヴの日がやって来た!
 当然俺もダチ一同も見に行ったべさ~!
 曲の構成はオリジナルが2曲とコピー曲が4曲でセトリはこうだった。
①乾いた花(ARB)
②EARTH BREAKER(オリジナル)
③ノクターンクラブ(ARB)
④ルイーズ(PANTA&ハル)
⑤SCHOOL BOY(オリジナル)
⑥魂こがして(ARB)
 兎に角カッコ良かった~~!!
 俺はYさんのこのライヴを介してARBに嵌ったのよ。
 オリジナルもどっかのプロの曲みたいにカッコ良かったんだ!
 それからライヴやる度にオリジナルの曲は増えていき、俺が3年の秋ごろにはセトリ
全てがオリジナルだったもんな~
 そしてここで更にスペシャルな事件が発生~~!!

な~んと、この第弐特殊部隊はポプコンに出るっつんだよ~~!
先ずは道東予選だわさ!
当然見に行ったよ、んでもって優勝だよ!
次に全道大会で札幌ね!っで優勝だよ!
そして遂につま恋本戦に出場したんだぜ~~~!!
・・どうなったと思う??
優秀曲賞に選ばれたべさ~~~~!!
TVに出ちゃったんだよね~~~!!
帰った来たら、もう一躍有名人だべよ~~~!
・・この件、嘘だと思ってる人いる??

http://www.yamaha-mf.or.jp/history/e-history/popcon/

 このページの21回大会をクリックしてみ~
 ど~よ、本当だべ~~!!
 Yさんの本名ばれちゃったね~ww
 その後、釧路じゃ大バンドブームさ~!!
 そんでYさん・・もういっか!結城さんの所には某レコード会社からプロデビューの
お誘いもあったんだが、彼はそれに靡かなかったんだ。
 何でかっつ~と、自分の曲に売る為っつって勝手にいじられたりするのが嫌だったんだと。
 その後、メンバーが入れ替わり、名前もTOW'sになり更にコアな音楽性になっていくんだ
 けど、その頃結城さんと呑みながら話した時は
「俺はさ~この曲聴いたら寒くなるとか、この曲聴いたら欲情してたまらなくなるとか、
そう言う音楽を作りたいんだよね~」
って言ってた。
 俺は高校卒業して網走に就職しちまったもんで、そっから先の詳しい内容は分かんない
んだけど、結城さんはその後ニューヨークへ渡り自身の音楽活動の傍ら
スタジオミュージシャンとして生活していたそうだ。
 今はどうしてるのか、さっぱり分からないけど、今も音楽やってて欲しいなぁ~
 今でも時々ライヴハウスで一緒に呑みながら話した時の事を思い出すんだよ。
 いっちょまえにボトルキープしてたブラックニッカの味と一緒に・・・
 


 第23回 ボヘミアン・ラプソディ

 PROJECT 0を解散してから俺はバンドを組もうとしていなかった。
 正直面倒くさくなっていたんだ。
 今考えりゃ~まだ世間知らずの学生さんだもの、自分も含めて我が強すぎたんだよね。
 だから中々上手くいかない。
 それでもライヴにはよく行ってたし、VICKYにもチョイチョイ顔出してた。
 そんなある日、確かあれは3年になる前の春休みの間のヤマハホールでのライヴだったと思う。
 この日のライヴは主にフュージョン系の連中が集まってて、トリはレイキッシュって言う結成3年目のフュージョンバンドだった。
 まあ普通この手の音楽やってるヤツってハイテクだったりするんだけど、そこはほれ!
 高々高校生だから、そうでもない訳でこん時はかなり退屈だったんよ。
 っで、ボヘ~~っと見てたんだけど、2バンド目のギターヴォーカルがどっかで見た事ある様な無い様な~~??
 とりま気にせず最後まで見ましたよ・・ようやく終わった!
 付き合いとは言えしんどかった~
 さあ、帰りましょう!と思ったらコッチに歩み寄って来るヤツが~
 あ! さっきの見た事ある様な無い様なヤツだ。
「いや~久しぶり!KAZZっしょ!? オレオレ、K中ん時一緒だったMSだって~!」
・・MS?  あ~~!判った、先生の息子だ~!
「お~K中ん時以来だべや~ お前バンドやってんのか~」
 俺は元々K中に入学したんだが、親の商売の都合で引っ越しした為1年の1学期限りでT中に転校したんだ。
 そのK中ん時の同級生だったんだな~コイツ。
 両親共先生で、兄貴が優秀でコイツも俺の記憶の中ではそこそこ頑張ってたと思ったんだがここでこんな事やってるとこ見ると、アカンかったんだな~~

「KAZZもバンドやってるんだべ~? 噂は聞いてるよ」
「あ~最近まではな~ 今はフリーよ。 バンドやってねぇんだ」
「そうなの? 確かハードロックやってるんだよな?」
「そうだけど~」
「・・あのさ~会っていきなりでアレなんだけど、フリーならチョット手伝ってくんない?」
「俺楽器やってないよ」
「それは分かってるって~ 実はさ、俺もう1つバンドやろうと思ってて、そっちでは
ハードロックとかヘヴィメタルやってみたいのさ」
「ふ~ん、っでどんなのやんの?」
「ん~実はまだハッキリ決めてる訳じゃないんだけど、アイアンメイデンとか
やってみようかな~と思ってるんだけどさ~ 知ってる?」
・・出たよアイロンマイデン!
「あ~一応ね、トリプルギターのね」
「そうそう!有名な所やってみようと思うんだけどさ~」
「鋼鉄の処女とかオペラ座の怪人とかかい?」
「お~それそれ!どう、歌える?」
「ん~ハッキリ言ってちゃんと聴いてないから何とも言えんわ。
 多分大丈夫だと思うけどね~」
 ってな会話を交わした後、お互いの家のTEL番号を交換してその場は別れた。

 ヤツからTELがかかってきたのは、6月位だったと思う。
 俺はすっかり忘れてた。
「もしもしKAZZ、例のバンドやる事になったからさ~今週の日曜来れる?」
「う~ん、まあいいけど所で何やるの?集まるって事は音合わせするんだべ?」
「あ!そうだね、取り敢えずあん時言ってたアイアンメイデン憶えて来てや~」
「どっち、2曲共?」
「そうだね~両方頼むわ~」
「分かった、そんで何処に行けばいいんだ?」
「ヨーカドウの向かいのT商店知ってる?そこの二階なんだけど~」
「分かった、何時に行けばいいんだ?」
「う~んと、じゃあ午後2時で!」
「分かった、アイアンメイデンで2時ね」
・・な~んか適当な感じなんだよな~ 大丈夫なんだべか?
 実は今日は火曜日、後5日で2曲憶えてくのね・・・何かヤル気出ねぇ~
 それでも言った手前ちゃんと憶えて行きましたよ、偉いでしょ!ww
 っでもって当日言われた場所へ行ってみましたよ。
 そしたらそのT商店って、3月のヤマハホールでMSの後で柳ジョージの曲とかやってた
ヤツの家だったんだな~
 憶えてたんだよ! だって人相の悪い高木ブーがテレキャス持ってブルース・ロックとか
歌ってんだもん。
 でもコイツんち、エライ金持ちだ!
 店の二階で音出すんか?と思ったら、家ん中にスタジオ作ってやんの!!
 しか~も、マーシャルの3段重ねあるじゃね~のよ!
 俺、実物初めて見たよ!
 更にビックラこいたのは、集ったメンバーの中に2年ん時につきあってた女がいたんだよ。
 一体どういう繋がりがあったんだ?
 集ったメンバーは、MSと元カノ以外は全然知らない奴等だ。
 一通り挨拶を済ませ、音合わせすんのかな~と思ったらいきなり座談会始めやがった!
 黙って聞いてると、これから何やるか話し合おうとしてるじゃねぇか。
 俺は思った・・・一杯食わされたと。

 更に色々聞いてると、どうやら俺以外全くハードロックとか知らねぇ連中みたいだべよ!
 アレやりたい、コレやりたいって出て来るのが、聞いた事無いグループの歌謡曲みたいな
のばっかだし、いい加減痺れを切らして俺は言った。
「ハードロックやるんだべ?それって全然違うべさ。 俺はアイアンメイデンとか
 やるって聞いて来たんだけど、お前らそうじゃねぇの?」
 MSが場を取り持つ様にして言う。
「まあまあ、初めて会った訳だし話し合って方向性決めようよ」
・・あ~こりゃダメだな~と思った。
 それ以後俺は何も発言せず、16:00頃解散した。
 このバンド、結局メイデンの2曲と未だわかんない変な曲が2曲にMSが作ったっちゅう
ど~もならんラブソングの計5曲で練習3回にしてライブに出た。
 流石にMSのオリジナルは自分で歌ってくれっつって断ったけどね~
 自分の中では黒歴史なんで、明確な記憶じゃないけど、そりゃ~ひでぇ~演奏だったべさ!
 この経験があったが為に俺はメイデンにいい印象が持てずに近寄れなかったんだ、きっと。
 だって30過ぎてから、たまたま聴いたパワースレイヴとか良かったもん!
 巡り合わせってコワイわぁ~w
 そろそろ流浪の民も終わりにしようかな~なんて思ってたら高校最後の学校祭が
もうすぐだ!


 第24回 Emperor of destruction

 そうなんだよ!アッちゅ~間に高校最後の夏休みDEATH!
 俺はバンドも無いし、補習&バイトに明け暮れてしっかり稼いでいた。
 だってさ~もうすぐMSGのファーストアルバム「神」が出るし、高崎と樋口がLOUDNESSってメタルバンド始めたから、そのファーストも買わないといかんでしょ!?
 そりゃ~バイトにも力が入るってもんでさ~ね!
 ・・っでよく思い起こしてみると、この頃になるとかなり「ヘヴィメタル」って言葉が
 使われる様になってきた。
 俺も最先端のワードとして、イイ振りこいてよく使ってたと思う。
 その当時は、オジーの事もよく知らんかったクセにね~(;^ω^)>
 そして2学期がやって来て、すぐさま俺等にとっては最後の学校祭だよ!
 今年は目玉の生徒有志でのバンド枠が3組から4組に拡大されたんだ。
 何故か? っつ~と、生徒会長がダチなんだよ~
 通称”サブちゃん”つって、よく悪い事やって遊んでた仲間だったから、無理っくり頼んで枠を増やして貰ったって訳さ~
 去年までは、先輩達に独占されてて全然出られなかったから、やれるバンドは全部出ちゃおうぜ~って寸法よ!

 4組共、学校祭だけの即興バンドなんだけど、結構皆リキ入ってたんだよね~
①銀蠅メインのロックンロールバンド
②結城さんをゲストに迎えてのパンクバンド(こん時結城さんはギターやったのよ)
③ゴダイゴとかオフコースのコピーバンド
 そして、俺が参加したメタルバンドっす!
 結城さんが出るっつんで、他校からもスッゲェ~~人が集まったんだよ!
 体育館の席急遽半分とっぱらってスタンディング増やして超満だったんだから~!
 本番までの練習期間はおよそ2週間、ウチのメンバーは
ヴォーカル=KAZZ
ギター=SとN川(親友のSと松田優作ファンで気の合うN川)
ベース=N(コイツだよ!おにぎり事件の包帯男!)
ドラム=F(チャンピオンの時ギター弾いたサッカー部のFね)
 この5人で組んだ!セトリは
①マルコ・ポーロ(シルバースターズ)
②Knights From Night(シルバースターズ)
③Always Somewhere(SCORPIONS)
④Hard Cover(シルバースターズ)
⑤Robot Man(SCORPIONS)
 そもそもシルバースターズがやりたくてっつ~のが事の始まりで、スコピは俺の
ごり押しで2曲入れたのね。
学祭の練習だから、放課後割当ての教室1個使って堂々とやれる訳だよ!
 日曜以外は毎日やってたもんね~
 時には他のバンドの練習冷やかしに行って、楽しかったなぁ~
 曲の仕上がりも順調でこのまま本番まですんなり行くかに思われたのだが~!
 ・・Nがやらかしてくれたんだな~これが!
 コイツのおにぎり事件は、第11回にそのはんかくさい(おバカな)エピソードが
出てるから参照してみてね(^^)

 そしてライヴ当日の学祭最終日、Nは包帯でグルグル巻きの顔にグラサン掛けさせて
他のメンバーは、思い思いのファッションに身を包み出番を待つ。
 俺は、ブラックジーンズにパンクっぽいボロボロにしたTシャツの上にライダースで
キメて、顔もその後で言う所のスラッシュっぽいメイクをした。
 俺等は3番目だ。
 1番目のナヨナヨバンドが終わり、2番目のロックンロールが始まった。
 何かスッゲェ~~緊張してきた!
 こんなの初めてだった。
 今迄人前で歌って緊張した事なんて無かったのに、どうしたんだろう??
 俺は、緊張を抑える為に目を瞑って集中した。
「何も考えるな、感じたまま行くんだ・・・」
 ポンっと肩を叩かれた、Sだった。
「おい、そろそろ行くぞ」
 ゆっくり目を開けて下手袖から出て行く。
 俺が記憶しているのはそこまでだ。
 そこからライヴの間の記憶が全く無いんだ。
 ここからは、客席から見ていたダチの証言を元に書く。

 ステージに出て来た時既に俺は目が違っていたらしい。
 何かに乗り移られた様だったとも言われた。
 1曲目が始まった直後から凄い煽り方で客を挑発しつつ、ヤバイ目付きのまま
歌っていたらしい。
 2曲目では、コーラス様に立ててあった2本のマイクスタンドをなぎ倒し、ステージ前
ドセンで拳振り上げてる連中を蹴っ飛ばし、曲の最後にはドラムのシンバルを
思いっきり殴り倒して、割っちまったらしい。
 このライヴの為に、専門の業者に来て貰ってPAやって貰ってたんだが、自分んとこの
機材をメチャメチャにしたお陰で、PAの電源切っちゃったらしいんだ。
 この時、他のメンバーはそのままやっていいのか、かなり同様していたらしいのだが、
俺は演奏も始まってないのに、マイク無しで勝手に3曲目を歌い出したんだって。
 ヤバイ! と思ったメンバーは、アンプ直出しで慌てて追っかける様に演奏始めたらしい。
 結局最後までそのままやり切ったらしいのだが、俺はマイクが無くなってからの方が
より激しくなっていたらしいんだ。
 後にテープに撮っていたのを聴かせて貰ったんだが、ちゃんと声入っててビックリした。
 ステージが終わって俺は記憶の無いまま体育館を去って行ったらしいんだが、メンバーが
その後しきりにPA屋さんに謝っていたそうな~

 俺が記憶を回復したのは、何故か屋上へ行く階段に腰かけている時だった。
「・・あれ? 俺何してんだべか?? ・・・ライヴ終わったのか??」
 ようやく我に返って体育館に戻ってみると、トリのパンクバンドが最後の曲を
演奏していた。
 因みにこのバンドのドラムは俺とやってたKが叩いてたんだよ!
 学祭も終わって、その後サブちゃんからみっちり叱られたのは、言うまでもない。
 そして、メンバー1人1人に頭を下げて回ったのも、言うまでもない。
 こんな経験後にも先にもこれ1回っきりなんだけど、所謂トランス状態って
マジ怖いっすわ~!
 2・3年ごとに高校の同期会があって、俺も何度か出席したんだけど、その度に
この時の事メンバーだった奴等から言われるんよ、未だに~~
 っで、「分かったよ~~」っつって二次会奢らされるんだぜ~~!
 だから皆も気を付けようね~~!!・・って、んな事無いか!ww


 第25回 メタルとアンダーグラウンドの狭間で

 さ~て、明日はいよいよマイケルシェンカーグループのファーストアルバム「神」の
発売日だ!!
 しか~し!俺は知っている、前日の夕方には既にレコード屋に入荷されている事を。
 そこで俺は、いつものレコード屋の兄ちゃんの所へ18:30頃現れたのよ。
 するとビンゴ~~!!
「おっ毎度~~、入ってるよマイケルシェンカー、持ってくかい!?」
「はい!そう思って来たっすよ~!」
「流石だね~、KAZZ君一番乗りだよ」
 ・・やった!一番乗り・・いい響きだ。
 俺は一目散に家に帰りまずジャケットを眺める。
 ・・そうか~マイケル髪切ったんだな~
 いや、これはこれでワイルドな感じでカッコイイ!
 ん?ライナーノーツ、んなものは後でゆっくり読むわ、兎に角聴こう!
 そわそわしながらターンテーブルにレコードを乗せ、針を落とす。
 お~~イイねぇ!! Armed and Ready やっぱマイケルのギターはエエワぁ~♪
 Cry For The Nationsもカッケェ~!
 アっちゅう間にA面が終わっちまった。
 よし、B面行くぜ!
 ・・やられた、完全にやられた!!!
 Into The Arenaなん~~~まらスゲェ~~!!
 ギターが啼き捲ってるじゃね~かよ~~(ノД`)・゜・。
 正にROCK BOTTOMの再来だと思った!!
 そして密かに俺はこの次のLooking Out From Nowhereも好きなんだよな~~
 結局俺は、風呂にも入らず聴き出したら止まらずに5回転聴き続けて力尽きて寝た。

MSG - Armed and Ready 
https://www.youtube.com/watch?v=obyz6zj-8mw

MSG-Cry For The Nations
https://www.youtube.com/watch?v=_koU1OrSt_4

Michael Schenker Group / Into the Arena
https://www.youtube.com/watch?v=3Sj48Mamh1o

MSG-Looking Out From Nowhere
https://www.youtube.com/watch?v=lh0CwRchvR4

 翌日俺は学校へ行くと、真っ先にSの所へ行って・・
「おい!「神」スゲェ~~ぞ!!」
「分かってるって、 Into the Arenaだべ!あれは参ったわ」
「あ~お前も昨日買って来たのか~、やるな!」
「あったりめぇ~だべや!でもよ~俺一番乗りじゃなかったんだよな~
 なんまら悔しいでや~」
「ざ~んねんだったな~、俺だよ!俺が一番乗りだったんだよ~~!」
「何~~~!?KAZZ何時に取りに行った?」
「6時半頃よ」
「・・負けた~俺7時位だもん、兄ちゃんに聞いたら君は2番目だよって言われたしな~」
「もうマイケルシェンカーでお前に後れを取る事はねぇ~よ♪」
 とまあ、くだらない会話で盛り上がってたらSのカバンにMSGのロゴが~~!!
「お前ズッコイ!(ズルイ)早速ロゴ描いて来たのか?」
「あったりまえだべ~ホワイトマーカーで2時間かかったべや~ 真似すんなよ!」
「あったま!!いいわ俺ジャケットそのものカバンに描いてやるわ!」
「それは卑怯だわ~!お前本当に描けるから反則だべや~それは!」
 それから始業のベルが鳴るまでこのバカ話は続いたとさ~ww

 そんな話題で盛り上がっていた昨今であったが、その頃市内のバンドシーンに大きな
変化が始まっていた。
 先に紹介した”第弐特殊部隊”のポプコン効果で学生達の間でバンド熱が沸騰し、
その中でもドラムのKが入ったパンクバンドがエライ人気になっていたんだよ!

 メンバーは4人で、ベースはYって言ってルックスも雰囲気もシドに良く似てた。
 ヴォーカルはOって言って、Kの従弟なんだけど、コイツはどうでもいいんだ。
 このバンドのブレインで仕切ってるのが、Kの中学時代の同級生でN沢ってヤツ。
 コイツが中々やるんだよ~!
 普通この時代パンクっつったらピストルズ・クラッシュ・ラモーンズって所が
メジャーじゃないの。
 でもコイツは一切そこら辺を持って来なかったんだよ。
 PIL・ストラングラーズ・バズコックス・ディスチャージとか当時としては
スッゲェ~~コアな所を持って来て、その上こいつ等ともう1バンドでライヴやった時、
なんか、PILの「アナリサ」って曲をループアレンジして、持ち時間45分ず~っと
ノンストップでやり続けたりした訳よ!
 俺も見に行ってたけど、コレは圧巻だった!
 終わってKがその瞬間に気ぃ失って倒れたもんな~
 こいつ等のバンド名は「脳不安」と書いてNO FANと読む。
 こいつ等が火付け役となって、学生アマチュアバンドは一躍パンクブームだったべさ!
 俺もN沢の目の付け所には、感心しちゃってその辺のパンクシーンなんかはかなり
調べてみたんだよね~
 所がさ~、聴けないのよ!かなりのアルバムが輸入盤なのさ!
 今みたいにネットで世界中どっからでもお取り寄せって訳にはいかないからね!
 それでも東京まで行けば、その辺の専門店があるらしいじゃないの。
 聴けないとなると余計聴きたくなるのが人情ってもんでしょ!?
 所がさ! そんなある日こんな田舎でそれを可能にしてくれる事件が起こったんだわさ!
 そのお陰で俺の音楽性は一挙に広がってしまったのでした~

 っと言う訳で、次回は遂にどっぷりとアンダーなグラウンドに浸かってくよ! じゃ!