『2015年巨大天下一武道会初参戦記』by QUIQUE-METAL
ライブレポート専用板101.2015年06月26日 22:46
ライブ観戦レポ(1)
静寂に包まれた幕張メッセ駐車場に戻ると、遠路を共にした愛車が静かに持ち主の帰りを待っています。駐車場の閉鎖15分前。さすがに車は数えるほど。会場に程近い駐車場周辺の広場が夥しい数のベビメタファンで埋め尽くされていたのは本の数時間前。あの喧噪が嘘のよう。関ヶ原の合戦場跡の如き光景を感じます。
湿気を含む橙色のネオンがまだ夢見心地な余韻を醸し出します。
深夜ながら、仲間とのオフ会に参加をしたり余韻に浸りながら語り合ったと思しきベビメタTを来た人がチラホラ。愛車に乗り込み家路へと。片道500km。家に帰るまでがライブ。私のライブはまだ終わらない。
珍しく音楽もかけず、無音のまま真夜中の見知らぬ首都高を流していると、言い様の無い寂しさに包まれました。
はたしてもう一度今日の様な興奮を味わえるのか?
知り合った多くの方と再会できるのか?
未だ会えていない方との出会いはいつか?
普段BABYMETALについて語り合える仲間は身近にいません。楽園に集うメイトさんは多種多様で、性別も年代も超えた交流が生まれます。奇跡のユニットが繰り出す音楽に嵌り、夢中になり、そして熱狂している。素の自分でいられる素敵な場所。そんな場所に集う人ともっと直に語り合いたかった。
そんな事を思いながら、30時間ぶりに訪れた睡魔に身を委ね、泥の様にSAで眠りに着きました。それから4時間後。前夜の鬱積した気持ちはすっかり浄化され、爽快な気分が訪れます。前日起きたことを反芻しながら、再び家路へと向かいました。
狂歌乱舞渦巻く会場に浸たったのはわずか100分。それを体感する為に、はるばる幕張までやって来ました。ワンマンは初めて。ライブはメトロックフェスに続いて2度目。前回は40分7曲、今回は100分16曲。観客の数も楽曲の質も量も比べものになりません。関西方面になかなか来ないので、業を煮やして来てしまいました。
ライブ観戦レポ(2)
関東のライブ、今年は2回まで。それが妻との約束。しかしサマソニ(舞洲)出演が決まり、移動手段をローコスト化することを条件に、チケット代を捻出し、サマソニ(舞洲)参戦の承諾を得ました。最安は往復夜行バスですが、走行音が気になりまともに眠れない体質なので自由度の効く愛車での遠征を決断。荷物の置場、着替え、食料などに不便することも無く、ライブ開始迄自分のペースで過ごせました。遠方のライブやフェスも行けそうな感触を密かに得ました。
道中、手持ちBABYMETALのCDを全視聴。改めて1st CDを聞くと、声がとても幼く聞こえました。ここ数年で、BABYMETALが飛躍的に成長したことを実感します。途中でDragon force、倉橋ヨエコを挟みつつ予定より早めの朝7時にメッセ駐車場に到着。
予定より15分早く駐車場も空き、会場に近い場所に駐車。すると、ベビメタTを着た人が続々と下りてきます。駐車場7~8割はベビメタってところか?遠征組も多数。トイレなどに行って戻ってきた人達も続々と着替え、見渡せばほぼベビメタT。家族連れもチラホラ。
メトロックでお会いしたD氏からメールが届いたので物販会場へ。予想以上の行列に戸惑い周辺をブラブラしていたら、D氏他メトロックでお会いした方々と再会しました。皆さん出足が早い。K氏ともお会いでき、しばし歓談。楽しい時間を過ごしました。
さて、自分にとって最も嫌いな行列。長い、遅い、熱いと忍耐の連続でしたが、ファンとして長蛇の列を体感してみたいという好奇心から、人生最長3時間の行列を経験。物販は量が多く、意外にも目当てのものが買え、充実した達成感が得られました。なので、今後観戦の機会があったらもう並びません。(多分) 最初で最後の長い行列です。
ライブ観戦レポ(3)
幕張参戦にあたり、画才のある伴侶に、赤いチノパンに狐面をペイントしてもらいました。なかなかの出来に満足です。メトロックで黒いマニキュアをしていた白髪の老人が格好良かったという話をしたら、「塗ってみたら?」と逆提案。100均で買えることを教えてもらい、試してみました。40代のおっさんが早朝の車内にて爪に色を塗る姿は相応に気色悪いかもと思いつつ、換気しないといけないので、窓全開で作業します。
綺麗に塗るのは結構難しく、特に効き手に塗るのは至難の業。仕上がりはどうしても左の方が◎。女性って普段どうやって塗っているんだろ? と感心します。湿度が高いのはやや誤算。乾きが悪く、乾き切らない内にどこかにぶつけまたやり直し。朝から何してんだろと思いながら、ちょっと楽しかったりもします。全部黒いとつまらんので、人差し指のみ濃い赤。これも伴侶の提案。私の伴侶、少々変わっているかも。
黒いマニキュアの3姫へのオマージュでした。初のワンマン、これぐらいしても大して目立たないほどに会場内は趣向を凝らした衣装を纏ったファンで溢れかえっていました。25000人来場なら10人位はいるかとの読みは外れ。意外でした。会場内で見かけたBest ofコスは、朝の物販でお会いしたK氏。あれはもうぶっちぎりでした。一生心に焼き付きました。
さて、いよいよライブ会場に入場です。仕事で遅くなるというロッカー難民を救済すべく、車に荷物を預かったのですが、チケットまで車内に置いてしまい引き返すなどのロスが有り、入場したのはE4200番台。私のチケットはE1000番台だったので、すでに3000人が中にいることに。一抹の不安がよぎる中、会場に入りその予感は的中。柱が邪魔。ただ、もっと遠いだろうとそもそも期待していなかった分、意外と見えることに気づきひとまず安堵しました。
ライブ観戦レポ(4)
さてライブは15分押しだったか?
お馴染みのDragon Force, Limp Bizkit BGMに酔いしれ、気分は最高潮に達して行きます。始まりはBABYMETAL DEATH。出会ったばかりのM氏と開演間際の興奮を共有しましたが、開始わずか5秒、圧縮ではぐれました。再会できたのは、終演30分後。
予想通りの圧縮が来ましたが、防御しつつ回避。この時自分がブロックのど真ん中にいることに気づきました。「これは不味い」いつ発生するとも分からないサークルモッシュ。不安を抱えつつ右前方へ移動。前に誰がいようと構わず圧縮をかけてくる輩には背後から制裁を入れつつ横に移動し、安全地帯へと避難しました。
丁度右斜め前方と左斜め後方でサークルが頻発し、中州の様な場所で観戦しました。ライブも60分程過ぎたころには、熱気や圧縮、酸欠などで耐えきれなくなり後方に避難する人が続出し始め、そのたびに少しずつ前方に移動。終わった頃には、柱も気にならない位置まで辿り着けました。
メトロックは密度が高すぎて出来なかったIDZでの駄目ジャンプもばっちり出来、全身を使っての観戦。頭に手を当てれば汗でびっしょりです。サウナで踊っているようなものでした。時折、一体どうしたらそんなに濡れるのっていうくらいしっとりしたバッグが体に当たるなど、お世辞にも気持ちが良くない時もありましたが、そんなことも遥か前方で繰り広げられる怒涛の演舞を見ていると忘れてしまいます。
そうそう、興奮のあまり肩車された男性が後方に顔を向けてモニターを見事に遮った時には「汚ったねぇ顔で遮ってんじゃねぇ~豚野郎―。〇*△■※~(以下自主規制)」と軽い〇意を覚えましたが、幸いそのお方はすぐに下りました。あと10秒遮っていたら、引きずり降ろしに行ったでしょう。無用なことをしなくて済みました。良かった、良かった。
ライブ観戦レポ(5)
Eブロックではサークルモッシュは頻繁に発生しましたが、ポイントが概ね決っており、無謀な輩はあまりいない様に感じました。靴紐がほどけしゃがんでいる人がいれば、必ず近くでガードする人がいたり、落し物を拾っては持ち主を探す人がいました。
RORでは、それまで別々に出来ていたサークルが合体し巨大なサークルに。さすがにこの時は、一歩間違えると将棋倒しになりそうな勢いでサークルが形成されました。もう少しゆっくりでいいですね。サークルモッシュはちょっと高速すぎて入る気がしませんでした。あんなに全力疾走しなくても。あれも子どものかけっこ位でいいでしょう。
後は、多くの方が書かれているように、怒涛のパフォーマンスが続きます。
特に印象的なのはSU-METALのソロ。生で聞く「紅月」「悪魔の輪舞曲」は想像以上でした。御世辞にも良いとは言えない音響空間の中、曲数も重ね披露も蓄積されたであろうタイミングにも関わらず、発せられる歌声はストレートに心に響きます。まだ17歳。信じ難い歌唱力です。
一方、「赤い夜」を彷彿とさせるステージの競り上がりには正直不安しかありませんでした。あの手の演出は心臓に悪い。正直止めて頂きたい。バックステージからの光がまるで日の出の様に見え、3人の姿は神々しく感動を覚えたのは確かだが、高すぎるステージは、今回で最後にして欲しいと思いました。見ていて不安になる「赤い夜」のBDは封印しています。今年末頃に幕張のBDが発売されても、あの辺りのシーンは飛ばすことになりそうです。
ライブ観戦レポ(6)
隠し撮り音源のみだった「泡玉」のみならず、昭和歌謡の香り漂う新曲を生で体験し、最後は国内ツアーの発表。大阪、名古屋開催に思わず絶叫しました。なぜなら距離的にどちらも大して変わらないから。フェス、巨大なワンマンときたら、最後は小さい箱。どれかが当選したら小さい箱も経験してみたいという贅沢な希望を胸に秘めつつ、歓喜のまま奇跡の公演は幕を閉じました。
帰路、晴天の富士山が勇壮な佇まいを見せてくれました。アイドルと見なすなら、彼女たちは歌、踊り、ライブのパフォーマンス力で既にダントツの日本一と言ってもいいでしょう。この日の富士山はそんな彼女達を祝福するかのようでした。メタル界で言えばアイドル、天使、妖精。。。いずれにしても世界で確固たる人気を築きつつあります。このままどこまで行くのか?追いかけられるものなら、どこまでも追いかけていたい。
意味深な第三章の終焉を告げる幕閉じに、いつか訪れるその時を想像しつつも、後もう少し、魅惑の公演を味わいたいという思いを抱きながら、今年も後半戦を過ごして行くことでしょう。We are BABYMETALを合言葉に。
そして家路に着いた時、私のライブはようやく終わりました。
あの興奮を再び味わいたい。ただ純粋にそう願うのでした。
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